不寛容な日本 おおらかな波照間島
2024/7/21
体操女子パリ・オリンピック代表選手の辞任を巡ってネット上でも騒動が起きている。
昭和の日本では18歳や19歳の大学生が飲酒・喫煙するのは半ば当たり前。当時ももちろん20歳未満の飲酒・喫煙は法律に反していたが。
昭和の常識は令和の非常識。そんなことは分かってはいるが、何とも堅苦しい。と思うのは自分が昭和の人間だからだろう。
沖縄県の最南端、人が住む島では日本最南端の島、波照間島(はてるま)。昔、波照間島に行った時に島の人から聞いた話し。
ある時旅人がやって来てしばらく島に滞在していた。その後、その人は本土で盗みを繰り返して逃げている逃走犯だと知らされた。
島の人たちはそれを知った後もその逃走犯には今まで通りに察していた。窃盗犯だと追求するわけでもなく、冷たく接するわけでもなく、島の今まで通りの暖かさで接し続けた。
そうこうしているうちに、その「逃走犯」は急にいなくなってしまった。宿代も支払わずに。島の人、特に、その宿の人にとっては大きな損失。ただ、みんなは島の暖かさに触れてその「逃走犯」も心を入れ替えて真っ当な人に戻った、戻っていて欲しい、と噂しあっていたらしい。
何とも大らか、寛容な島人たちである。
それとも昭和の人たちと言うべきなのだろうか?
SNSが当たり前になり、他人の些細な過ちを執拗に追求し、貶める。
自粛警察や私人逮捕などメディアなどでも一時使われたが、ほとんどは冤罪、または、些細な過ち。
もちろん厳密に言えば法律違反も多くあるだろうが、あまりにも「不寛容」。
もっと大らかで、失敗から学んで立ち直る、さらに強くなる手助けを応援する社会になって欲しい。
みんなが「些細な失敗」を恐れて挑戦できないのが停滞する日本の一因、と言うのは言い過ぎだろうか?