アメリカの日本食
新型コロナ禍で海外駐在・研修から帰国できなかった同僚たちも9月までにほぼ帰国して来た。まだ、赴任できない交代要員などもいるが、徐々に落ち着きつつあるのだろうか。
アメリカ中西部の田舎町に駐在していた同僚と話していた時、食事の苦労話になった。
アメリカでもニューヨークやロサンジェルスなどの都会には日本料理屋も多く、お金さえ払えばそれなりの日本食は食べられる。長期間海外にいると食べたくなるのは、やはり日本風のラーメンとカレーライス。個人的な感想だが、周りには賛同者が多い。
広いアメリカ中西部では、車で4時間掛けてラーメンを食べに行く。それ程期待はしていなくても、その低い期待値を裏切られることもアルアルだと言っていた。ラーメンショップでも何でもネット検索すれば見つかるが、口コミだけではなかなか味までは分からない。自分で行って味わって見て、自分なりのリストや地図を作るのが一番。
自分はアメリカには出張でしか行ったことは無いが、長期出張時には食通の仕事仲間がいると助かる。思い出すのはロサンジェルス近郊に住む日系人。多趣味だったその人は食べ歩きも趣味の一つ。穴場のラーメンやエスニック、焼肉など安くて旨い店に何度も連れて行ってくれた。どれも美味しかった。
ゲテモノ以外は大抵のモノは食べられるので普段は問題無いが、ミシガン州のとある町で3軒ある中で一番美味しい日本食屋、と言うところに連れて行ってもらった時は少し辟易した。日本人がわざわざ来てくれたから、と地元企業の社長が日本食に連れて行ってくれたのだが、はっきり言って美味しく無かった。ダイナー(カジュアルなアメリカ風の安食堂)の方がよほどありがたいのだが、ゲストをもてなす場としては相応しく無いのだろう。
“日本料理”と言う言葉の持つイメージも人によって様々だと思う。
天ぷらや刺身・寿司など外国人が思う典型的な日本料理は日本では日常的に食べるものではない。少なくとも自分自身は。日本食と言ってよいのかどうかわからないが、普段日本で食べるのはハンバーグや中華”風”の炒め物、うどん・そばなどの麺類。それから天丼・牛丼など丼物、とんかつ。あげれば切りが無い。
毎日違う種類の美味しい食事が食べられれば満足。
食にうるさいイタリア人が日本は世界で2番目に食事が美味しいと言っていた。一番は自国・イタリア。
日本人としては日本ほど食文化の豊かな国は無いと思う。