外敵と内部結束、自粛警察
新型コロナウィルス禍が収まらない中、WHO(世界保健期間)の第73回総会が今日(2020年5月18日)から2日間の予定で開催される。バーチャル開催とのことだ。
本来であれば、世界共通の”敵“となっている新型コロナウィルス、COVID-19、への対策が議題の中心になるところだ。もちろん、WHOの会議プログラムではCOVID-19対策が議題として挙げられているが、実際はどうなるのだろうか?
普通は、共通の外敵(→関連記事)に対して内部は結束するのであるが、昨今の新型コロナに関わる世界情勢を見ているとそうでは無いような気もする。おそらく中国起源だと思われるCOVID-19であるが、日本の報道を見る限り、世界中が中国叩きに躍起になっているように見える。実際、SNSを通じて接点のあるアメリカ人の知人なども中国バッシング的なコメントを出している人たちもいる。
こうやって見てみると、多くの国にとっては、敵は外にいるCOVID-19では無く、自国内にいるのでは、と思えてくる。新型コロナ対策で各国・地域とも程度の差こそあれ苦労している。感染症の撲滅・制御と言うのが一番大事なように個人的には思うが、各国・地域が苦労しているのは、その施策に対する市民の不安・不満を抑えることのようだ。
ロックダウンや自粛要請などの施策で市民に不自由を強いている。これに伴い市民の不満の矛先を外に向ける、と言うのが現在の構図だろうか。当然、中国(政府)はこれら中国をやり玉に挙げる国・地域を仮想敵とみなす。
WHO総会も中国(+WHO幹部?)対それ以外の国、と言う争いになるのだろうか?
大事なことは、どうやってCOVID-19に対峙するかだと思うが、この点はおろそかにならないようにしてもらいたい。
ところで、我が国ニッポン、国民の不満は政府には向かっているが、政府やマスメディアはそれらの不満を外(国外)に向けるような様子は少ない。外の世界を見ようとしない日本的と言えば日本的。代わりに、不満の矛先は自粛警察(→関連記事)と言う形で表れているのかも知れない。