ミャンマー連邦共和国 多民族国家
ミャンマー、同国政府が公式に英語名称としているのは、Republic of the Union of Myanmar。日本語ではミャンマー連邦共和国。
多民族の連邦国家。大きく8つ民族があり、更に細かく分けると100以上の民族となるらしい。
ミャンマー旅行にあたって、10冊近くの本を読んだ。
大雑把に言うと、大半を占めるビルマ人が大河エーヤワディー流域の肥沃な土地に、少数民族は周辺国との国境に近い山岳地帯などに居住している。
ミャンマーの民族問題と言えば、ロヒンギャが世界の注目を浴びている。つい最近もアフリカの小国ガンビアがイスラム圏国家を代表して、イスラム教徒への迫害に対処していない、とミャンマー政府を国際司法裁判所に訴え、アウンサンスーチー外相が出廷した、と言うニュースがあったばかり。
世界のマスメディアはロヒンギャばかりに焦点を当てており、その解決には軍事政権とアウンサンスーチーとの調整が必要、と言うような論調が多いように思える。書籍や現地で話した人から聞いた話を総合すると、ロヒンギャ以外にも沢山の少数民族問題があり、一朝一夕に解決するのは難しいようだ。
軍事政権とアウンサンスーチー氏が対立しようが協力しようが、所詮はどちらもビルマ人(ビルマ族)なので、両者だけで少数民族問題を解決する事は難しい。現地で話したあるビルマ人は、民族問題の話になると声のトーンを落として、“CNNなど海外メディアはロヒンギャばかり騒ぐが、彼らが言っている事は必ずしも正しくは無い。山岳地帯にいる少数民族との間にも色々問題がある”と苦々しげに言っていた。
見る人が見ればある程度はミャンマーの民族が区別できるようであるが、まだまだミャンマー初心者の私にはできない。
そんな中、バガンには、首長(くびなが)族とも言われるカヤン族(の一部属)の女性が店先で機織り実演をしているお土産屋が数軒あった。現金収入を得るために本人が率先して、または、家族に勧められてやって来たのか、無理矢理連れて来られたのかは分からないが、少数民族を見世物に観光資源にしているような感じで少し違和感を感じた。それでも、少し話しを聞きたくて、その中の一軒に入って見た。
販売員のお兄さんは“祖母が作ったスカーフだからぜひ買ってくれ”と。“一枚作るのにどれくらいの時間が掛かるんだ?”と尋ねると“3日程度”。その店には、スカーフが何百枚もあり、3日/枚だとどう考えてもそれだけ作るのは2〜3年は最低でも掛かる。そのお婆さん以外の地元の人達も作っているのかも知れないが、手作りを強調しようと嘘を言っているのかも知れない。いずれにしても、“ここ(バガン)から遠い貧しい山岳地帯から来”たとは言っていた。許可を得て、機織りの首長おばあさんの写真は撮らせてもらった。