沖永良部島の海

鹿児島県で南から2番目の島、沖永良部(おきのえらぶ)島。サトウキビやテッポウユリなど農業が盛んな島で、観光客はそれほど多くない。

学生時代に行った時は、その島にユースホステルがあった。
東の海を見渡す崖の上に立ち、海を望む庭があり、白砂の浜に降りる小道もあった。
夕食が終わり日が暮れると、その庭に、ユースホステルのマスターを中心に宿泊客が集まり、黒糖酒を飲みながら語り合う毎日だった。時々は、近所の人もフラっとやって来た。
高台の庭で、星を見、波の音を聞き、海風を感じながらの黒糖酒。東京に帰る日が近づいてくると、五感で感じるその情景を持って帰りたくなった。
当時は、インターネットはまだ無かったけど、いつかはそんな日が来るんだろうな、と何となく思っていた。

平成が終わろうとしている現在では、インターネットの高速化で、五感のうち、目と耳から入るものについては、遠くの情景を個人でもリアルタイムに送ったり受け取ったりできるようになった。
それ以外(嗅覚、味覚、触覚)の送信は、少なくとも普段の生活レベルでは、まだ実現できていない。例えば、テレビの料理番組などでも、料理の香りや味は、感じられない。
実験レベルでは、ある程度は匂いを送信することはできるみたいだけど、人間の化学物質に対するセンサー(舌や鼻)は、自分たちが思っている以上に高精度で、今の科学技術では実現できなさそう。

今ではスマホや携帯電話にも搭載され、当たり前になったデジタルカメラ。これが無いと画像のインターネット送信ができないが、そのデジカメが店頭に初めて現れたのは平成になってからのようだ。当時は、画素数も約76,800相当と、画質も悪く、人間の目に比べればかなり性能が悪かった。ちなみに、それほど解像度の高くないiphoneXで、265万画素程度、当時の30倍以上。
そう考えると、平成の次の時代には、匂いや味を録臭/録味(?)できる機器が出て来て、送信できるようになるかも知れない。バーチャル世界の”どこでもドア”登場、となるかも。

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