トンガ王国 – 社会が麻痺
2019/2/26
南太平洋ポリネシアの島国トンガ王国。
今年の初めに企業活動、観光業、住民の生活までもが麻痺状態になったと言うニュースが流れた。海底の光ファイバーケーブルの断線で、インターネットのほとんどすべてが使えなくなった。
海底光ファイバーは、ITバブルの西暦2000年前後に世界中の海底に一気に敷設された。隣のフィジーからトンガに引かれたのは5年ほど前のことらしい。その前は、インターネットが無くてもみんな普通に生活していた、という事だろう。今では、インターネットが無いと国全体の生活が成り立たなくなる、大変な変わりよう。
ITバブルの頃に仕事の付き合いがあった当時60前後のフランス人が言っていた。「僕の若い頃は海外との仕事は郵便。相手先にエアメール(航空便、念のため)を送り、返事が来るまで最低でも2週間、返事が来たら2〜3日考えて返事を書く。また、2週間。のんびりした時代だった。今は、emailで翌日、時差が無ければ5分後には返事が来る。こんな仕事(光ファイバー通信用部品関連)をしているが、本当にこれがみんなの為なのか、と時々思う。」
確かに、インターネットが無ければ、このブログも読んでもらえないし、emailやSNS、色々な調べものはおろか、買い物も旅行もできなくなる。電話番号も住所も知らない知人もたくさんいる。ニュースも当然ネット。電車で紙の新聞を読んでいる人をたまに見ると、”邪魔”、と思ってしまう。
一昔前は、通勤電車のサラリーマンと言えば新聞か漫画雑誌、ノートパソコンを持ち運ぶ必要もなく、通勤カバンもそんなに重くなかった(出張の資料は多かったけど)。今さら、ネットの無い社会には戻れないけど、この便利さを知らなければ、今でもネット無しでそれなりには生きているんだろうか?
ちなみに、トンガの光ファイバー断線は3週間後に復旧したらしい。