ヒトとヒトの距離感
2024/11/13
先日、ある外国人と話していて人と人との距離感の話になった。
距離感と言っても色々あるが、単純に物理的な距離。
人と人との身体の距離、対話する時の顔と顔の距離。
その人は外国人客も多いある施設の受付で働いていたが、客と話す時に気を付けていたことがあると言う。
・外国人客の場合は、なるべく顔を近づけて施設の説明をする
・日本人客の場合は、なるべく遠く離れて接客する
外国人客相手のような距離感では、日本人客には身体・顔を遠ざけられるらしい。
以前にも書いたかもしれないが、例えばインド人は距離感が近い。ある時、日本に初めて来たと思われる見知らぬインド人に目的地までの行き方を尋ねられたことがあるが、余りにも相手が近づいて来たので不快に感じた。国による距離感など考えていなかったその時は、そんなに近づくな、と言ってしまった。今から考えると何とも冷淡な話しである。
この距離感も時と場合によって異なるように思う。
例えばアメリカだとテーブルは大きく、隣の席との間隔もゆったりしている。距離が遠い。
日本の都会では食堂や居酒屋などテーブルは小さく、隣の席とも近い。距離が短い。
さらに言えば都会の満員電車。一昔前に比べると混み具合は緩和されてきたとは言え、まだまだラッシュアワーの電車内は大混雑である。隣の人に触れない距離を保つのは不可能。
人と人との距離感が遠い日本でなぜラッシュアワーは耐えられるのか?
科学的な理由は分からないが、満員電車で隣にいる人は、ヒトとして認識していないのでは無いか、と個人的にはと思う。
日本の都会では、電車やエレベーターの中で基本的に会話が無い。一緒に乗っている見知らぬ人がヒトとして認識していないのであれば、会話も生まれない。
この距離感が良いか悪いかは分からないが、慣れてしまっているので意識はなかなか変えられない。ただ、自分が海外に行った時や海外からの訪日者と接する時は、みんな距離感が違うんだな、とは何となく思っておいた方が良さそう。