豊後竹田
2024/9/29
竹田(たけた)市は大分県の南西部にあり、熊本県と宮崎県に接している。
竹田(たけだ/たけた)は全国に何ヶ所かあり、明確に区別するためかJR九州の駅名は豊後竹田となっている。
阿蘇の山々に囲まれた山あいの盆地で、夏でも朝晩は比較的涼しいようだ。阿蘇周辺の多くの地と同様温泉もある。
その竹田、隣接する由布市(湯布院で有名)などに比べるとどうも知名度が低い。一番の理由は交通の便かとは思うが、高速バスもJRの駅もあるので、それは単なる言い訳に過ぎない。
個人的な感想では、プロモーションと大型ホテルの不足のような気もする。
観光資源としては、素人受けするものは少ないかも知れないが、それなりに歴史を感じる観光地はある。
その一つが、瀧廉太郎の代表作の一つ「荒城の月」の「荒城」。荒れたお城、岡城。1185年に源義経を迎える為に築城されたが、1874年(明治7年)の廃藩置県で取り壊されたらしい。瀧廉太郎は、取り壊された城跡から月を観ながら「荒城の月」を作ったと言われている。
現在も国指定史跡「岡城(おかじょう)跡」として残っている。城の近辺には、昭和の頃には賑わったであろう佇まいの土産物店が数件あり、廃業したと思われる宿や茶店跡がある。
岡城跡周辺が「昭和の観光地」跡のよう。
街中には瀧廉太郎の旧宅や岡城に関連する小さな博物館などがある。
また、岡城藩主がキリシタンだった影響でキリシタンが多かったようで、キリシタン洞窟礼拝堂など関連する施設もある。
「犬のおまわりさん」も竹田市ゆかりの童謡である。作詞をした佐藤義美さんの出身地と言うことで記念館もある。
それなりの観光資源のある竹田市であるが、どうも素人受けはしない。訪れたのは猛暑の8月。もう少し涼しければ、色々と見て歩きたかったが、夏の昼間は暑過ぎた。
参考までに、岡城跡などいくつかの観光施設は有料(岡城跡で300円)だが、観光施設6ヶ所の入場券800円のセット券がおすすめ。何と言っても豊後竹田駅近くの日帰り温泉「花水月」の入浴券(単独で買うと500円也)もセット。歩き回ってかいた汗を流して次の目的地へ。なかなか良いセット券である。
ところで「竹田」と言うと竹田城と言うのがあるが、これは兵庫県朝来市。
「竹田の子守唄」は京都市伏見区竹田地区。元々は民謡だが、1970年代にフォークソングとしても一部で流行った。それを歌った歌手の一人が高石ともやさん。先日、8月19日に訃報が飛び込んで来た。京都に住んでいた高校時代にはラジオから高石ともやさんの曲がよく流れて来ていた。
豊後竹田に話しを戻す。外国人の長期滞在者をターゲットにした宿もあり、旅行通の間で人気が出ても不思議では無い観光地。何か少し変われば印象が大きく変わる期待感のある地。
別府や湯布院、阿蘇など観光客であふれる場所に飽きた時には、ぜひ古き良き佇まいの竹田市にも立ち寄ってみてもらいたい。