移動の不自由
2024/1/27
動物の一種である人間、「動く」ことは最も基本的な本能・権利の一つ。他の動物と違って現代人が動くのは、自分の脚以外の手段も多い。
そんな手段が寸断される災害や事故が今年になっても連続して起きている。
多くの尊い命が犠牲になった元日の能登半島地震。地震やそれに伴う津波や地盤隆起の影響で、道路や鉄道の寸断、港の機能喪失など多くの交通手段が失われた。
翌1月2日の羽田空港での航空機の衝突事故。空港滑走路の閉鎖に伴い多くのフライトの欠航が数日間続いた。
1月23日にはJR東日本の新幹線の架線事故と停電により、東北・北陸・上越の各新幹線は終日運休となった。
また、翌24日は大雪で関ヶ原を走る東海道新幹線に大幅な遅延が発生した。同じ地域では名神高速道路で立ち往生が発生し、解消するまでに半日以上の時間を要した。この大雪では、日本海側を中心に震災のあった能登半島も含め多くの場所で交通障害が起きた。
世界に目を向けると、自然災害や事故以外の理由で移動を制限されている人々もたくさんいる。戦争や紛争、政治的な迫害など。
一方、平和な日本では平時でも交通に支障が出ている。
観光公害とも言われる京都。
オランダから日本に長期出張で来たエンジニアが昨年(2023年)秋の週末に鞍馬観光に行った時に言っていた。
「電車に乗るのに1時間以上待った」。
鞍馬は京都市左京区の郊外にある静かな(昔は静かだった)場所。電車だと叡電(叡山電鉄)というローカル鉄道で行く。生まれてしばらくはその沿線に住んでいたので良く乗っていたが、1〜4両編成程度ののどかなローカル線だった。その電車に乗るために並ぶ、というのはにわかには信じられない。
また、普通の住宅地でも運転手不足が理由で路線バスが廃止や減便になったり、タクシーが減ったりしている。自家用車やレンタカーなどの「あし」があればよいが、そうでない人は移動に苦労する。
そんな中、昨年辺りから議論が活発になって来た感じがするのがライドシェア、日本語だと相乗り。
次回は今までに体験・見聞きした「相乗り」について書いてみようと思う。