帰る国

2023/11/23

パレスチナ•ガザ地区からの人質解放のために一時休戦が合意されたようだ。少し前には同地に住む外国籍の人々もエジプト側に脱出できた。しかし、パレスチナ市民は国境を越えられない。

思い出すのは2003年3月の北京。中国語学習で北京の大学の語学コースに留学し始めた頃。
入学するとすぐにSARS騒動が発生。多くの人々がある種のパニック状態になった。特に、中国人学生たちの戸惑いは大きかった。外国人留学生たちには帰国の動きが広まった。そんな時期に大学の留学生担当事務の先生が言った言葉が思い出される。「帰国したい人は帰れば良い。君たちには帰るところがある。だけど、我々中国人にはここに居続けるしかない」。

ロシアによるウクライナ侵攻
ミャンマーの軍事政権
アフガニスタンのタリバン政権
イスラエルのガザ地区攻撃

その他にも、大きな紛争等は無くても、国内で迫害され出国したく行くところがない一般市民が世界にはたくさんいる。海外に住んでいる人たちは帰国したくても帰国できない。

幸いにも、日本では今のところ政治的にも経済的にも、国の体制が理由で困窮する市民は少ない。少なくとも困窮から逃れるために日本を脱出せざるを得ないと考える人はほぼいないと思われる。
海外に住んでいる日本人にとっても帰る国、帰れる国、があるのは貴重。
このまま円安や経済衰退が進むと、日本がそんな安心・安全な国で無くなってしまう懸念もあるが、今のところは何とか大丈夫そう。
帰れる国を維持するには国民の不断の努力が必要。極端な言い方かも知れないが、そのような国を維持し続けるのが政治家や国民の勤めとも言える。

それと同時に、人口減少が続く日本、帰る国がない人々をなんとかして迎え入れることができないか、と思う今日このごろである。

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