トルファン 2つの時間

2023/7/26

それにしても暑い。ただ、今年の猛暑は日本だけでは無い。
イタリア・シチリア島 48.8℃(欧州史上最高気温)
アメリカ・デスバレー 53℃ (世界最高温56.7℃を記録した地)

我らがアジアも負けてはいない。新疆ウイグル自治区のトルファン 52.2℃

トルファンに行ったのはちょうど20年前の夏。新疆ウイグル自治区の首府ウルムチから、現地の日帰りバス旅行。
出発は朝7時台だったか?前日飲み過ぎて起きられず、ツアー会社の人がわざわざ迎えに来てくれた。タクシーか小型のバンでバスを追いかけてくれた記憶は残っている。バスはウルムチ市内のホテルを回って客を順次乗せて行くのだが、我々の宿が一番最初だった。そのおかげで、後から追いかけてもウルムチ市内でバスに追い付いた。

トルファンは海抜0メートル以下(海面より低い)のところもあり、また、世界の中でも最も海から遠いとも言える場所(実際に最も遠い地点は同じ新疆ウイグル自治区内、トルファンから見て北西に当たる場所)。日本人が砂漠と聞いて思い浮かぶ典型的な砂漠、タクラマカン砂漠の縁に位置し、夏の昼間はとにかく熱い。
二日酔いの身体にはこたえる暑さ。

幸いなことに同地の名産は果物。特に、ハミ瓜と葡萄が有名。ハミウリはメロンの一種。昼食休憩は観光葡萄園のようなところだった。その後、西遊記の舞台ともなった火焔山や高昌城、カレーズと呼ばれる一種のオアシスのような観光地を巡る日帰りツアー。
産業的には、大型の発電用風車が100基単位で並ぶ風力発電発電基地やタリム油田などもある。20年前の話しである。

さて、そのトルファンは経度が東経89度程度、ツアーの出発地のウルムチが87度程度。
中華人民共和国の一部となっている同地の時間は中国東部・北京に合わせた時間。中国内には時差が無く、単一の時間帯。北京は東経116度程度。
つまり、トルファンやウルムチとは30度近くの経度差がある。
緯度や標高などにもよるが、30度違うと陽の登る時間は2時間違うことになる(地球一周360度、24時間なので15度で1時間)。

ちなみに、日本の標準時は東経135度の明石を基準としているのは皆さん御存知の通り。北海道の東にある根室市が東経約146度、最西端の島・与那国が127〜128度。明石を基準とすると概ね10度程度の差。

最初にツアーの集合時間に遅れた、と書いた。公式な時間、北京時間の7時だとすると、体感的には現地時間では朝5時ごろと言うことになる。
そんなツアーだが、ランチ休憩は「現地時間」の12時ごろ、つまり、北京時間では午後2時頃。いくら二日酔いとは言え、その頃にはお腹も減ってくる。
念の為に書くと、前日の夜は「現地時間」の夜遅くまで飲んでいた。具体的に何時だったかは覚えていないが、北京時間だと真夜中は過ぎていたと思われる。

真夏の熱いトルファンを巡るツアーは、集合時間こそ北京時間だったが、他の旅程はほぼ現地時間。ウルムチに帰りついたのは現地時間の夜7時とか8時とかの時間だったように思う。ツアーが解散してから晩飯を食べに行ったが、北京時間では夜10時は過ぎていた。普通の焼肉レストランか何かだったがディナーのピークタイムと言った感じだった。

新疆ウイグル自治区では、生活は「新疆時間」だった。北京とは3時間差だったと思う。朝夕のラッシュアワーやお店の営業時間などはウイグル時間。ウルムチやトルファンは先ほど書いたように北京と経度30度差だが、もっと西のカシュガル(東経75度)では約40度差。8月に訪れたときに陽が沈んだのは北京時間の夜10時過ぎ。
そんなわけで、現地では時間がかかわる決め事、約束やレストランの予約など、どちらの時間かを確認するのが必須だった。

我々は残念ながらウイグル語は話せず中国語での会話だったためか大抵の場合は北京時間だった。ウイグル語だと標準がウイグル時間なのかも知れない。
今でもウイグルでは普通の日常が過ごせているのだろうか?非常に気になるところである。

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