中国の患者数隠蔽

2023/1/12

中国がゼロコロナ政策を終了した。「当局の思惑通り」患者数は多くても1日数人、死亡者数もほぼゼロ。もちろん政府発表。

20年前に北京に住み始めた時と酷似している。
2003年、SARSが流行り出した頃。感染の中心地は北京だった。毎日感染者数が発表されていたが、感染者数は数人から多くても二桁前半。
ただ、病院やクリニックでは発熱患者の診察は完全防護体制。感染者数がそんなに少ないとは到底思えなかった。
北京市政府によるロックダウン前だったが、食堂やレストランからは人がいなくなり、開いている店は開店休業状態だった。

当時、中国人たちはSARSを異常に恐れていた。
日本人も含めた外国人はそれほどでも無かったが、一つの理由は「いざとなったら帰国すれば良い」と思っていたかも知れない。実際、自分も北京市のロックダウンが発表された時には帰国した。

もう一つは、中国人は中国の報道を信用していなかったこと。
そんな状況の北京では、見ず知らずの中国人から良く尋ねられた。「日本でのSARSの報道はどんな感じ? 本当に患者数は10数人しかいないのか?」

当時の日本の報道は、今の中国のCOVID患者数同様、「政府は〇〇人と発表していますが、実際の感染者数とは乖離している」と言う論調の報道だった。
それを中国人に話すと、やはり不安そうな様子になり、可哀想な感じがした。

ただ、ある時から急に発表される感染者数が急増し、数十人、100人以上と増えていった。
その時になって、やっと政府の発表も正常化(?)されたと感じた。もちろん、その数字が信頼できるとは限らないのだが、それまでの毎日数人に比べれば肌感覚に合っていた。

政府による情報操作は世の常。
最近ではウクライナとロシアの戦争。恐らくどちらが発表するニュースも多かれ少なかれ自国に都合の良いように加工されているはず。
第二次世界大戦中の日本の大本営発表も然り。
戦時中は国民の士気を上げたり、対戦相手にダメージを与えたりすることもあるのだろう。

ただ、中国の感染者隠蔽は何のためだろう? 国民を不安にさせないため? 対外的に中国政府の感染対策の優秀さを示すため?

バカな日本人の浅知恵では理解できない。
そんな中、中国は感染者数の発表を取りやめたとも。虚偽の数を伝えることに罪悪感を感じ始めたのだろうか?

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