世界地図から消える日本
2022/10/26
1970年ごろから1980年代にかけて、ノストラダムスなどオカルト的なものから経済学者の将来見通しまで、各種予言が流行っていた。日本経済がバブルに向かって高揚感があった時期。
それら予言の一つに「世紀末を迎える頃、日本が通信技術で世界を席巻する」と言うのがあった。
学生だった自分には遠い将来のことだと思っていたが、1999年からたまたま担当したのが通信関係の仕事。後にITバブル、ドットコム・バブルと言われた時期。今までの仕事はほとんどが輸入関連だが、その通信関係の仕事だけは輸出案件だった。
日本の通信大手グループの製品を世界に販売していたのだが、競合品が無く世界中から注文が入る状態で、文字通り「世界を席巻」していた。
それら一連の「予言」の中には「21世紀には世界地図から日本が消える」ともあった。
今、インターネットで調べてみると、大地震や大津波、海面上昇など「日本沈没」系の記事が多い。
個人的には、昨今の世界情勢を見ると、すでに日本は世界地図から消えかかっている感じがする。
まずは「経済的価値」。
32年ぶりの1ドル150円越え。円の価値がどんどん下がっている。それにつれて、輸出大国だったはずの貿易収支も統計開始以来最大の赤字のようだ。
世界から称賛された「日本品質」。
最近では三菱電機電機の不正。日野自動車の排ガス規制や東洋ゴムの免震ゴムなどこの5年くらいで急激に増えた感じがする。
「正直者日本人」も危うい。
東京オリンピック汚職のニュースは次々と新しい展開になって行く。少し前には国交相の産業統計不正もあった。
存在感が無くなり、世界地図から消えつつある日本。
かつては船舶や自動車、精密機器など多くの輸出品が一流だった日本。
再び輝きを取り戻し、地図から消えない日本を再生できるのだろうか?