オデーサとブサン 外国語の表記

2022/5/29

前々回、ウクライナの都市の日本語読みが「オデッサ」から「オデーサ」に変わったことに触れた。
首都の名前もそれまでの「キエフ」から「キーウ」に変わっている。

先日、ウクライナ人の英語インタビューを聞いていると、「キエフ」でも「キーウ」でもどちらでも良いのでは、と感じた。
正確なウクライナ語の発音はわからないが、英語インタビューでの発音を聞いている限り、日本語の「キエフ」とも「キーウ」とも違う、とも言えるし、どちらでもよいとも言える。

日本語は、世界の言語の中でも発音の種類が少ないと言われている。カタカナで表せる音の種類は少ない。
つまり外国語の単語をカタカナで表すのは難しい。

日本語には頻出する「ッ」、小さい「ツ」=促音、が無い言語も多い。ウクライナ語にももしかしたら「ッ」は無いかも知れない。そうであれば、例えば「オデッサ」はウクライナ人にとっては耳障りかも知れない。
言語学者では無いので確かなことは言えないが。

外国の地名と言えば、韓国南部の港湾都市「釜山」の読みも不思議。
こちらは、日本人には異なる音でも韓国人には区別がつきにくい違い。

以前は、英語表記は「Pusan」だったが、2000年ごろから「Busan」に変わっている。

変わった時に、韓国人に聞いたことがある。
「Pusan」と「Busan」のどちらなんだと。
釜山生まれのその韓国人は、「意味が分からない。どっちも一緒だ」と言っていた。BとPの区別がつきにくいようだ。

日本の地名でも違和感を感じることがある。
生まれ故郷の京都にある観光名所「嵐山」。
京都で話す「あらしやま」と主に関東地方の人が話す「あらしやま」、違う。発音は同じだが、関東人のイントネーションは平板、抑揚が無い。
こちらは文字であらわした場合は区別ができないので、書き言葉の場合は仕方がないが、全国放送のアナウンサーなどは発音を見直して欲しいものだ。

地名では無いが、ずっと違和感を感じている人名がある。

今年の夏に来日することになったサッカー・チーム。リーグ・アン(フランス)の有力チーム、パリ・サンジェルマンFC。
そのフランス代表エースストライカー「Kylian Mbappé」。日本のテレビやネットニュースなどでの発音・表記がメディアによって全く異なる。
代表的なものは「エムバペ」「ムバッペ」だろうか。
Wikipediaによると、発音記号は「(ɛ)mbape」。先頭に「ɛ ≒ エ」の音が付くかどうかは違っても、それ以外は同じ表記になるはず。

やはり、同じ疑問を持つ人は多いようで、本人にインタビューした動画がYou Tubeにあった。
無理にカタカナにすると「エンバペ」が近いようだ。

発音の種類が少ない日本語。
文法の難しい日本語を学ぼうとする外国人にとっては、簡単な発音は少しはハードルを下げているようにも思う。

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