軍事技術とメタバース

2022/5/14

日本が技術大国と言われたのはいつの頃だっただろう。

英会話を勉強していた時に、アメリカ人の先生が「軍事以外の目的で技術開発を行なっている日本は珍しい国」と言っていた。
日本はバブルの頃。1982年に発売された音楽用CD(Compact Disk)が普及始めていた頃だと思う。
その先生が例に出していたのが「レーザー」、LASER( =Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)。

それまで、ダイヤモンドやサファイアなど硬い針先で機械的に音をピックアップしていた方式(レコード盤)から、レーザーで光学的にピックアップする方式に変わった。「軍事開発が無ければ、君たちはCDで音楽を聴けなかったかも知れないんだ」と言っていた。

その他にも、今では日常的な技術・製品の多くが元々は軍事用技術だった。
・インターネット
・コンタクトレンズ
・IC(半導体集積回路)など。
缶詰も当初は軍用だったと言う。

今回のウクライナでの戦争では、ドローンも多く使われている。今後はAI(人工知能)で操縦・攻撃がされると思われるが、現時点では何らかの形でヒトの操作が必要なようだ。

いつだったかの中東の戦争では、アメリカ軍兵士が戦場に「通勤」すると言われた。
朝、自宅から車で出勤し、テレビゲームのような要領で無人偵察・攻撃機を操作、敵の軍事目標を爆撃する。夕方任務が終わると、拠点を出て、家族が待ってる自宅に帰る。
偵察機の映像が鮮明で、敵の人物が「破壊」される映像がまざまざと目に焼き付いた。その数時間後には、自宅に帰り子供たちと食卓を囲んでいる。

そんな生活を続けると精神に異常をきたすのは想像に難く無い。

FacebookがMetaに社名を変更して、一躍認知度の上がった技術、メタバース。3次元仮想空間で自分の分身(アバター)が仮想現実で活躍する技術。ゲームでは勿論のこと、ビデオ会議などでも応用されつつあると言う。

この技術もやはり発祥は軍事技術なのだろうか?

先程の敵地攻撃による精神への負担を軽減するために、攻撃目標を現実の画像では無く、テレビゲームと同じようなアバターや仮想シンボルにする。少なくとも生身のヒトを攻撃するよりも攻撃者の精神的負担は少ない。
逆に言うと、攻撃や戦争に対するヒトが本来なら持っている(はずの)、嫌悪感や反戦意識が無くなり、戦争を抑止する感情が減ってしまう懸念もある。

人類の技術発展と戦争は切っても切れない関係なのだろうか?

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