観光船の操縦 小型船舶

2022/4/30

知床観光船のKAZU Iが海底に沈んでいるのが見つかった、と昨日報道された。

一連のニュースを見ていて、ふと思った。
自分の持っている免許(二級小型船舶操縦士)でもあの船、KAZU Iを操縦できる。

KAZU Iは
・19トン、全長12メートル
・沈んでいるのが確認された場所は陸地から1~1.2kmの海底

国土交通省のホームページの記載を抜粋すると
・「小型船舶」とは、総トン数20トン未満の船舶です。
・二級小型船舶操縦士: 小型船舶で、海岸から5海里(約9キロメートル)までの海域を操縦できます。

5海里の目安として、東京で免許を取得した時に教えられたのは、伊豆大島はギリギリ行けない。伊豆大島は最も近いところで本州から約20km。本州側から5海里、大島側から5海里、計10海里(約18km)以内なら航行できるが、20kmでは一級小型船舶の免許が必要。

また、車で言うとバスやタクシーなどに必要な二種免許、乗客を乗せる営業運転には特定操縦免許が必要。
これについても、平成15年(2003年)以前に取得した自分の免許には、自動的に与えられている。

そんな自分の免許で、知床半島沿岸を、しかも乗客を乗せて操縦するのは考えただけでも恐ろしい。
もちろん、何年か経験を積むと操縦できるようになるだろうが、KAZU Iの船長は、1年程度で船長を任されたと言う。

自動車で言うと、上海やホーチミン・シティーの街中やドイツのアウトバーンを日本の免許で運転するようなもの。
幸か不幸か、中国もベトナムもドイツも国外免許で運転できるジュネーブ条約締約国には含まれていない(ドイツは日本の免許証で運転できる)。

車の動かし方は同じでも、運転する場所の状況は土地によって異なる。
ただ、自動車の場合は、路面は普通は固定され動かない。

海では地形などにより、海面の動きがそれぞれ違う。
風、波、潮流。さらには、潮位によっては、岩礁や暗礁などもある。
多くの海域ではそれらを示す信号や標識も無い。

この半年以内に観光船やフェリーなどに乗る機会が何回かあった。普通は、乗客はそれらの船長を信頼し、無条件に命を預ける。

乗客を乗せる船については、今の免許制度でよいのか、と疑問に思う。

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