新型コロナと高次脳機能障害

2022/2/12

新型コロナ感染症の症状として、匂いや味を感じない、と言うのが特徴的だった。また、後遺症としても同様の症状が多くあるようだ。オミクロンでは、これらの症状は比較的少ないと報道されているが、ゼロではなさそう。

そんな中、臭覚の損失はウィルス感染に対する免疫反応により、脳が影響を受けるためではないか、と言う仮説が提言された。臭覚を検知する細胞形成に影響を与えると言う仮説だが、ウィルスが脳に影響を与えるとすれば症状が多岐に渡るのは、説明できそう(記事はこちら)。

脳の働きは人によって違う。
空中で「斜め軸に縦3回転、横4回転(トリプルコーク1440) 」できる人もいれば、一度聞いただけで音楽を耳コピーして演奏できる人、似顔絵が得意な人などいろいろである。
それほど特殊な才能でなくても、周囲の情報を言葉として認知するのが得意、画像として認知するのが得意、など人によって傾向がある。認知特性と呼ばれている(→関連サイト)。

新型コロナが脳に影響するのであれば、感染すると今まで得意だったことが不得手になることも考えられる。もっと言えば、性格が変わってしまう可能性もある。

自分の体験で言えば、新型コロナ感染後数週間は、方向感覚が弱くなった。
普段であれば、知らない道を歩いていても、大抵はどっちの方向に曲がれば元の場所に戻れそうか、と言ったおおよその方向はわかるのだが、一時期どっちを向いて歩いているのかわからず迷子になりそうになった。スマホの位置情報と地図で事なきを得はしたが。

普段から方向感覚がそれほど強くない人にとっては、この症状は何がおかしいのかわからない。

他人ができない能力・脳力を持っているのが、その人の強み・個性。
新型コロナに感染するとこれらの個性が無くなったり、弱くなったりする可能性がある。高次脳機能障害の一種だろうか。他人にとっては、大したことが無くても、本人にとってはストレスになる。
良い方向で考えると、今まで持っていなかった特殊な能力が身につく、と言う可能性もゼロではない。ただ、本人が望んだ能力が身につく可能性は限りなくゼロに近い。

まだまだ分からないところのある脳の働きと新型コロナ感染症。これから徐々に解明されることに期待したい。

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