北京の冬
2022/2/3
明日は北京冬季オリンピックの開会式。
2003年2月、冬の北京に着いた時は空が灰色で、いかにも憂鬱な天気だった。
その日の天気が悪かったわけでは無い。
当時の北京は、石炭で沸かすスチームで街中の家々を暖める「暖気(nuǎn qì/ヌアンチー)」と呼ばれる集中暖房だった。毎年冬になると石炭から出る煙の影響で市内全体が灰色になっていた。
そんな北京に着いて間もなく、市内観光と言うことで「北大」に連れて行ってもらった。
長い名前を短縮するのは中国語でも同じ。北京では「北大」は「běi dà(ペイター)」と読み、北京大学を指す。
キャンパスは広く、いつ敷地内に入ったのか気付かなかったが、屋外スイミング・プールがあり、キャンパスに入っていたのだと分かった。プールサイドには数日前に降った雪が少し積もっていた。
一年中乾燥している北京は、雨や雪が降ることは少ないが、冬は寒く、一度降った雪はなかなか溶けない。
そんな冬のプールだったが、なんと、泳いでいる学生が一人いた。水泳部の選手だと思うが、中国恐るべし、と思った瞬間である。
冬に北外に行ったのはその1回限りだが、北京では冬に運河で泳ぐ人をその後も見かけた。
生活排水も流れ込み、夏でも泳ぎたくない運河であるが、もしかしたら冬の方が臭わないのだろうか。
ところで、北京のウィンター・スポーツ。
今回のスキー競技は北京市の隣の河北省のようだが、当時の北京市内にもスキー場はあった。行ったことは無いが、リフトもあり普通のスキー場だったらしい。
ニュース映像などで見る北京は、天安門広場や広い長安街など広大な平地のイメージがあるかも知れないが、北京市の面積は四国とほぼ同じ。万里の長城(の一部)も北京市内郊外。普通に山である。スキー場もそんな山にあった。
明日からのオリンピック。会場と市内は完全隔離。
テレビでは日常の北京は映し出されるのだろうか?