トンガと石垣島 津波石

2022/1/27

日本最南端の「市」、石垣市。石垣島全島を一つの市とする八重山諸島で2番目に大きい島。
大学生の頃に初めて訪れ、2~3年毎に計5回遊びに行った。

当時、古本屋で見つけた石垣島に関する単行本に「津波石」のことが書かれていた。
曰く、サンゴなどが大津波で打ち上げられ、山の上まで運ばれた。津波の高さは85mだったと言う。

「そんなアホな」と言うのが素直な感想だった。
80mどころか、10m以上の津波が陸に上がってくるのはあり得ないと思っていた。

その本に書かれていることがもしかしたら本当かも知れない、と思ったのは、2004年12月に起きたインドネシアの大津波。
津波の様子はテレビ報道でも繰り返し報道された。
石垣島の津波石について、もう一度読んでみたくなったが本は見つからなかった。

先日、ふとネットで調べてみると大津波について書かれている記事が見つかった。
1771年の八重山大地震の伴う「明和の大津波」と呼ばれる災害。
その記事には、トンガにも津波石がある、と書かれている。つい最近、海底火山の噴火で大きな被害を被ったトンガである。

その部分を「1771年・八重山地震・明和の大津波(津波跡現地調査/文・写真:山村武彦氏)」から抜粋する。

『ニュージーランドの北2,000Kmにあるトンガ王国にも巨大な津波石がある。最新の研究によると、トンガにあるサンゴでできた7個の巨石は、過去7000年以内に火山の噴火によって発生した津波によって、斜面を押し上げられて運ばれたものであるという。そのうち最大の巨石(写真)は、海岸から100メートル以上内陸の海抜10メートルを超える地面に鎮座している。よく見ると石垣島にある津波石と似ているように思われる。トンガは南西太平洋にあって、トンガ海溝、トンガプレートなどがあり、周辺で大地震、大津波が繰り返し襲来してきた場所で、日本と同じような地勢的リスクのある地域である。』

自然の猛威は、人間の時間感覚では測れないくらい長い時間の間に繰り返す。文献も残っていないことも多い。色々な土地に残る形や、文字になっていない伝承などは軽視してはいけない。

ところで、日本で、世界で、このところ火山噴火が急増している、と思うのは自分だけだろうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

閑話

次の記事

カンニング対策