北京 都市封鎖
2022/1/24
オリンピック開幕を間近に控えた北京。朝鮮半島にある隣国同様にゼロコロナを目指している。
日本のワイドショーなどでは、その過激な方法が報道されている。
感染者が確認された地区は封鎖され、地区の住人全員に対して昼夜問わず検査を行っているらしい。
北京に住み始めた2003年2月下旬は「初代(※)」SARS感染が拡大し始めた時。SARSの時も「小区」と呼ばれる住居地区が閉鎖された。
北京や上海では多くの地域に、小区ごとにゲートがあった。
普段は開いていて自由に出入りや通り抜けができたが、閉鎖期間中はゲートの扉が施錠され、場所によっては警備員も配置された。最初のうちは、そこに住むの住民は身分証を提示すれば通ることはできた。
その後、小区は閉鎖と言う通知がなされたが、SARSは新型コロナ・オミクロン株に比べると感染拡大のペースが少し遅かったので、事前に予告があった。つまり、外国人などはその前に北京を「脱出」する猶予はあった。
その猶予期間中に、自分も一時帰国したので、閉鎖期間中の生活は直接は知らない。
「脱出」せずに北京の学生寮に残った人から聞いた話によると、閉鎖された学校の中で、毎日スポーツや勉強をして規則正しく生活はできたらしい。
閉鎖生活に飽きてくると、ゲートや壁をよじ登って街に出かける輩も当然いたらしい。
メインゲートには警備員がいたが、その他の壁などをずっと見張っているわけでは無く、また、「不法」脱出に対する罰則もそれほど厳しくなかった。
報道番組で見る限り、今回の小区封鎖は当時と比べて格段に厳しいようで、知人宅を訪れていた時に封鎖され、帰宅できない、と言うことも起きたらしい。
日本をはじめ「西側諸国」では、「人権侵害」として問題になる政府の対応である。
日本人から見れば、感染症よりも恐ろしい政府対応であるが、中国の一般市民は受け入れざるを得ないのだろうか。
※ 新型コロナは「Sars-CoV-2」とも呼ばれている。