中国地名の発音2 北京

2022/1/15

前回の上海に引き続き、中国地名の読み方。

北京

日本では一般的に「ペキン」、現在の中国語(普通話)では「Běijīng」。
日本ではこのピン音をローマ字読みにして「ベイジン」と言う人もいるが、無理矢理カタカナで書くとどちらかと言うと「ペイチン」。
厳密に言うと日本語には無い、または、少なくとも意識して聞き分けることのない音なので、自分のカタカナ表現が正しいかどうかは少し自信は無いが。

以前は英語表記は「Peking」だったので、日本語の「ペキン」はその頃の名残。
地名など固有名詞の英文表記は、1977年に中国政府の要求に基づき、ピン音になったらしい。

北京で「Peking」と言う呼び名が無くなったかと言うとそんな事はなく、「北京大学」の英語名は今でも「Peking University」。

北と京のそれぞれの読み方を調べてみると
北:「ホク」呉音・漢音、「ペ」唐音
京:「キョウ」呉音、「ケイ」漢音、「キン」唐音。

「ペキン」は唐音。どちらも呉音や漢音の読み方に比べると日本では浸透していない。

中国での発音の歴史については詳しく知らないが、現在の「 Běi」も「Jīng 」も日本には入ってきていない。
中国語・普通話は北京地方の方言をもとにしているが、日本人にとっては難しい発音。

上海語は、意味がわからなくても聞いた音を真似できるが、普通話は多くの日本人にとって真似すらできない音も多い。
「日本(rì běn)」 などは最たる例。

ところで、日本語での中国語固有名詞のの呼び方は、基本的には日本語読みだと思う。
大連は「ダイレン」、天津は「テンシン」。
「津」を「シン」と読むのは、京都では割と馴染みがある。京都市と隣の滋賀県大津市を結ぶ道路や鉄道は「京津(ケイシン)」。

日本人にとって不便なのは、中国人名や中国地名を英語で話す時。
英語ではほとんどの中国名はピン音を英語読みする。
日本語とは全く異なる読み方が多いので、英語で地名を言われても分からないことが多いかも知れない。
中国に工場を持っているアメリカ企業などと話す時に、工場の場所なんかが分からない。分からなかったからと言って不便があるか、と問われると「それほどでも」と言うとかも知れないが。

中国人にとっては、日本の地名を英語で話す時は分からない、と言うことでお互い様ではある。

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