中国の「民主」主義

2021/12/6

NHKの真面目なニュースで「中国の民主」主義に関する報道があった。一人大笑いしそうになった。ジョークにしてはできすぎである。

アメリカが12月9日から民主主義サミットを開催するタイミングで、中国政府が「中国的民主」と言う白書を発表した。

中国と日本は、台湾を含めて漢字を使用する数少ない国々である。大多数の漢字語は、日本語と中国語で同じ意味であるが、時々違う意味を持つものもある。

有名なところでは「手紙」。
中国語では、トイレットペーパー。
日本語の手紙は、中国では「信」で表す。日本語でも「信書」と言う言葉もあるので、見当はつきやすい。

仕事では「経理」も良く使うが、中国語では「部長」など組織長の意味。社長を「総経理」と呼ぶのは中国とビジネスをしている人であれば馴染み深い。

日本人の多くは子供の頃に、親から「勉強」しなさい、と言われる。
中国語で「勉強」の意味は「強制する」。
子供たちが親から「勉強(日本語)」を「勉強(中国語)」されるのはある意味理にかなった表現かも知れない。

さて、「民主」。
日本語では「民(たみ)」が主、「民」に主権がある、と言う意味だと理解している。
中国語でも最近は日本語同様の意味だったと思っていたが、「広辞苑」によると
「中国では古く、民の主すなわち君主の意に用いた」
とある。
この解釈を読んで、冒頭の「中国的民主」の意味に納得した。笑ってはいけない真面目な「民主」だった。

考えてみると「民主」と言う言葉を使うのは、日本、中国、台湾、北朝鮮、韓国の東アジア5ヶ国だけである(多分)。北朝鮮と韓国は今では漢字は使われていないが、言葉としては漢字語。
その5ヶ国全てで、それなりの民主主義による政治が行われている。
国名に使っているのは「朝鮮民主主義人民共和国」だけである。恐らく「朝鮮の民主」による統治がされているに違いない。

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