日本の不自由 中国の不自由

2021/11/9

日本と中国、どちらが「不自由」か問われると多くの日本人は中国、と答えるのではないだろうか?

中国は不自由な国、という認識はある面では正しい。
一党独裁の中国共産党に異議を唱えると拘束される危険がある。
漢民族以外の少数民族には、思想はもとより、その容貌・風習、もっと言うとその民族である、と言うだけで逮捕監禁される可能性もある。

その一方、中国の大多数を占める漢民族であれば、政治や政権に反対・批判しない限り、不自由なく暮らせる(経済面は個々の違いがあるために除外する)。
何を着ていようが、後ろ指を指されることはまずない。流行遅れを気にすることもない。夏の北京では、夕方になるとパジャマで出歩く人、上半身裸のおっさん、などが街を歩いていた。

我が国、日本。
政権に反対しようが、異議を唱えようが、公権力による逮捕・拘束は心配する必要はない。
一部で、政治思想・信条によっては常に公安に監視されている、と言う嘘か本当か分からない噂もあるが、少なくとも法に触れない限り公的には自由である。

但し、日本には「周囲の目」と言うある意味公権力よりも恐ろしい力がある。
もう1ヶ月近く前のニュースであるが、今年、ノーベル物理学賞を受賞された現在は米国籍の真鍋さん、日本に帰りたく無い理由を問われ「調和を重んじる日本人の気質が自分には合わない」趣旨の発言をされた。
他人と同じこと、または、少なくとも他人から批判されない生き方をしないと日本は暮らしにくい。
「出る杭は打たれる」。
「出る杭」になっては、日本では生きていけない。「出る杭」は何も他人より優秀でなくても、容姿や考え方、行動が他人と違えば「打たれ」てしまう。

最近、気になったニュースは乗客を乗せたバスの運転手が、イヤフォンで音楽を聴き、歌いながら運転し、会社から処分されたと言うもの。
運転中であれば
・イヤフォンで耳を塞ぐ(外の音が聞こえない)
・時間帯によっては、歌声が乗客に不快な思いをさせる
と言う批判は確かにある。ただ、居眠り運転されるよりはマシである。

アメリカでの話であるが、
・空港のシャトル・バスの運転手が、歌を歌いながら運転。乗客にも掛け声を要求していた。
・飛行機(30席程度の小型機)のキャビンアテンダントが、一人で歌っていた。
と言う経験がある。
アメリカだからと言って、全乗客がその歌に好意的だったとは思えなかったが、文句を言う客はいなかった。

日本は、自分たちの行動規範などから外れている人たちに対して不寛容と言える。
そういう意味では、先日プロ野球・日本ハムファイターズの監督に就任した「Big Boss」新庄氏が何か変えてくれるのでは、と期待したい。

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