電車の手荷物検査

2021/11/2

先日、衆議院議員選挙の開票速報の最中に京王電鉄車内で刺傷事件が速報で流れた。特急電車が緊急停車した国領駅は、昔住んでいたアパートの最寄駅。駅周辺は当時とは大きく変わってはいるが、良く知った土地。昨年、近くで用があった時には、ニュース映像で映し出されたロータリーを見ながらランチを食べた。

2018年の東海道新幹線、今年8月の小田急も含め、最近は走っている電車内の無差別事件が続いている。
事件の際にはいつも改札等での手荷物検査が話題になる。

2000年代の初めに中国に住んでいた時、長距離列車での移動時は、身分証の確認と手荷物のX線検査があった。どちらも「少数民族の過激派」と中央政府が思い込む人々の移動やテロを防ぐためだと言われていた。
当時は、北京市内や上海市内の地下鉄では手荷物検査は無かった。北京や上海は、中国の直轄市(省に属さない)で、特に治安が厳しく比較的安全と言われていたからかも知れない。

その後、何回か中国に出張に行っているが、いつの頃からか地下鉄でも手荷物のX線検査が行われるようになった。空港と同じように、駅で手荷物をX線検査装置に通して検査する。

中国は日本ほど仕事に熱心では無い人がたくさんいた。スーパーの店員(万引き防止などの警備を兼ねる)はおしゃべりに精を出し、スイミング・プールの監視員は椅子に座ってお昼寝。
地下鉄の手荷物検査もそんな感じでゆる〜い感じではあったが、少なくとも犯罪に対する抑止力はありそう。

北京や上海の地下鉄は、ラッシュ時には東京の鉄道と同じように混雑する。出張時には混んだ時間帯を避けて移動していたので、ラッシュ・ピーク時の地下鉄には乗っていないが、基本的には手荷物検査は同じようにされているはず。ピークを少しずらした時間帯でもそれなりに乗降客がいる時間帯に改札を通ると、地元の市民は当たり前のように手荷物を検査装置のコンベヤーに乗せ、足速に進んで荷物をピックアップ。慣れない旅行者が通る時に少し列が乱れる程度で、整然と手荷物が進んで行く。

都市間を結ぶ高速鉄道などは、改札でプチ渋滞が起きるが、手荷物検査と合わせて身分証の確認があるため。中国人の身分証は自動チェック(日本で言うとSuicaやICOCAのような感じ)であるが、外国人はパスポートチェック。

コストは別として、日本でも鉄道の手荷物検査導入は可能だと思うが、一番の問題は日本人の真面目さ。
検査官(または日本仕様のAI監視システム)が少しでも怪しい荷物は見逃さないように熱心に仕事に取組むのは容易に想像できる。そうなると手荷物検査の列に大渋滞ができるのは間違い無い。

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