人気投票と民主主義
2021/10/15
衆議院議員選挙の投票日が10月31日に決定した。
国会の解散が無くても衆議院議員の任期満了に伴い近々選挙が行われることは決まっていた。
こう言う時期になると決まって連絡して来る、普段それほど親しい付き合いの無い人古い知人、と言うのがどこにでもいるようだ。
前回の選挙の時期には、それ程親しく無い取引先から大きな封筒が送られて来た。特に仕事で書類を受け取る用は無かったので、不思議に思って開けてみると選挙用ポスターだった。
以前は、社内でも選挙に関する署名集めや投票依頼をしていた人もいた。流石に、最近は社内での政治活動は禁止されているが、「友人」と称して自宅を訪れたり電話をして来たりする人はいる。特に「組織票」の多いと言われている政党の関係者が多いようだ。
選挙活動については違法で無い限りとやかく言う必要は無いが、余りにしつこく投票の依頼をされると逆に、その候補者・政党には投票したく無くなるのは自分だけだろうか。
もうすぐ、選挙カーと言うものも道を走るようになる。走りながら叫んで良いのは候補者の名前だけだと言う。政策や政治姿勢などは、走りながらでは全てが伝わらないからだろうか、選挙カーでは走りながら「演説」をしてはいけないらしい。
知人に投票をお願いする、選挙カーで名前だけを連呼する。どちらも「中身」を伴わない選挙活動。
タレントなど有名人も名前だけはよく知られているが、政治的にはどんな方向性なのか分からない。
アメリカ出張時には政治の話になることも時々ある。
公の場では政治と宗教の話は避けよ、とも言われていて、当のアメリカ人たちもそれは認識しながらも政治の話をしている。
日本でも政治の話は皆無では無いが、少ないような気がする。
他の民主主義国家の選挙の実態がどうなのかは知らないが、多かれ少なかれ名の通った有名人が当選に有利なのは間違い無さそうである。
アメリカはハリウッドスターのクリント・イーストウッド(Clinton Eastwood)やアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)が市長や州知事になった例もある。
政治家に相応しい候補者を選ぶのが本来あるべき姿だと個人的には思っているが、現実はそれぞれの候補がどうなのかはわからない。名の通った有名人が有利になる。
世界では、民主主義と独裁主義の覇権争いが進んでいるような気がするが、人気だけで、または知った名前だからと言う理由で選ぶ選挙と言うのは民主主義の限界なのだろうか?
それでも、ひどい悪政に対しては国民の審判を下せる、という意味では独裁主義よりは良い。