アフガニスタンとミャンマー
2021/9/2
アフガニスタンとミャンマー。どちらも今年になってから大きな政変があった国。
特にアフガニスタンは、今、世界中でホットなニュースになっている。
同地に滞在の外国人などの脱出を巡り、各国で報じられているようであるが、その中に、空港周辺の警備兵が文字を読めないために、通行証を示しても空港に辿り着けなかった、と言う話題もあった。
現代日本に暮らしていると、文字は読めるのは当たり前、と言う社会インフラ設計がされている。少数の文字を読めない人や日本語が母国語ではない人にとっては不便だと思うが。
アフガニスタンは世界でも識字率が最低レベルの国らしい。特に満足な教育を受けられなかった女性の識字率は相当低いようだ。
文字が読めないと基本的な教育には限界がある。武器の取り扱いや農作業の一部はできるかも知れないが、世の中の仕組みを理解するのは難しい。
一方のミャンマー。こちらは、独自の文字を使うビルマ語(ミャンマー語)が主体だが、識字率は90%以上と高かった。
識字率基準の変更とビルマ語を母語としない少数民族のカウントなどで70%台に下がったようだが(ユネスコのWebサイトによる)、それでも多くの人が文字は読める。初等教育はしっかりしているのだと思われる。
ミャンマーの教育システムは知らないが、お隣のラオスでは学校以外にも、多くの子供が少年僧として過ごすお寺でしっかりと基礎教育がされる(男の子だけらしいが)。
ミャンマーでも多くの少年僧を見かけたので、似たようなシステムがあるかも知れない。
江戸時代の日本も「読み書きそろばん」を教える「寺子屋」と言うシステムがあったと社会の授業で習ったが、その頃から基礎的な教育ができていたために、明治維新での飛躍的な変化・発展が遂げられたのだと思われる。
アフガニスタンもミャンマーもこれからの国の進め方は見えてこないが、基礎教育面を見ると、アフガニスタンは前途多難かも知れない。
文字が読めないと、YouTubeなど動画サイトを除くと、emailもSNSの文字メッセージも、多くのWebサイトも役に立たない。
昔のジャーナリストは「武器の力よりもペンの力」を頼りに活動をしていたと思うが、アフガニスタンのような国の正常化にもペンの力が重要だと考えられる。
ちなみに、文中で参照した日本ユネスコ協会連盟のサイトによると「寺子屋プロジェクト」と称してアフガニスタンやミャンマーなどで教育の機会を提供する活動を行なっているようだ。