軍事政権と民主主義

2021/8/20

日本の歴史に興味のある外国人と話すと、人気のあるのは江戸時代と明治維新が多い。母数が少ないので正しいかどうか分からないが、中国や韓国の人たちは明治維新に興味があるようだ。
アメリカ人はサムライ文化を通じて江戸時代に興味があるように思われる。

江戸時代にはまだ生まれていなかったので、実際の庶民の生活はどうだったか分からないが、貧しくても、それなりに幸せで文化的な生活を送ることができたのだろうか。
士農工商のヒエラルキーに従って、身分は固定され、将軍を頂点とする世襲制の軍事政権の世の中だった。
社会の教科書くらいの知識しか無いが、人よりも犬の命が優先されたり、武士に無礼を働くと問答無用で斬られるなど、横暴な面もあったのは確かだろう。ただ、政治に不満があると庶民は合法か非合法かわからないが、デモを行う庶民もいた。恐らくデモの弾圧もあったのだろうが、政治を変える力にもなったのだろう。教科書には一揆として載っている。

そんな世襲制の独裁軍事政権が300年も続いたと言うことは、良い面が沢山あったからだろう。

現在の世界にも独裁軍事政権の国が多くある。
ニュースになるのは、政権が変わる時や一般市民が弾圧された時くらいで、普段は、特に日本では話題にもならないことも多い。大きなニュースになったのは、今年の初めのミャンマーや最近のアフガニスタンのタリバン。

今の日本で生活していると選挙も無く、言論の自由も無い社会は想像できないが、江戸時代の日本を標準で考えると、軍事政権だから、独裁政権だから、という理由で全て “悪” と言うことでも無いのかと思ってしまう。
結局は、庶民を満足させることができれば問題は無い。
また、庶民に不安・不満がある時は親身になってその話を聞く「独裁者」であれば支持を得られる(そう言う人は独裁者とは呼ばないのかも知れないが)。

アフガニスタン。
タリバン幹部は民主的な政治は行わないと言いながらも、20年前のタリバンとは違う、と言っているようだ。
これからどんな社会になって行くのだろう?

それよりも身近なところでは、庶民の不安・不満が政権に伝わらない民主主義国家の行く先が心配である。結局は、選挙前だけ市民に良い顔を見せ、あとは聞く耳を持たないのが民主主義ということだろうか。

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