災害報道と映像
2021/8/14
全国で大雨が降り続いている。
雨が降り始めて以降、この記事を書いている時点までに、広島と佐賀で河川氾濫が発生している。
まだ、しばらく大雨が続く予報になっているので被害は拡大しそうだ。
現時点で豪雨災害の名前は付けられていないが、後になって「令和3年8月豪雨」などと命名されるような災害が危惧される。
自然災害と言うのは、テレビ報道を見ていると危険度が分かりやすい。
増水した河川や土砂崩れ、流された住宅や車など、視覚に訴える効果が大きい。
それに比べると、目下のもう一つの災害、新型コロナ感染増は、目に見える映像が少なく、感染者数や重症者数など数値の羅列が多く、災害が発生していると言う臨場感を訴えるのが難しいような感じがする。
福島原発メルトダウンについても同じ。
建屋の屋根が爆発で吹き飛んだ映像はインパクトがあったが、それ以外は「〇〇地点のモニタリングポストの観測地は〇〇マイクロ・シーベルト」と言った数値での報道が多かった記憶がある。
数値は大切な指標で、頭で理解するには良いが、感覚・感情に訴えることは難しいかも知れない。
写真や映像は感情に直接訴えることができる。
多くの人は、自分の興味の無いことに対しては、いちいち頭を使わない。
そんな中、数字だけをツラツラと言われても、深刻度がピンと来ない。
オリンピックで活躍する選手たちの映像の方が、新型コロナ感染者数よりも心・感情に訴える効果は大きい。
新型コロナの危機感についても、感染症を扱った映画やゾンビ映画のように、視覚を通して感情に訴えれば人々の意識も変わるかも知れない。
ただ、矛盾したメッセージを出した続ける政治家がいる限りそれも難しいかも知れない。人の感情に訴えるのは意外と難しい。