朝令暮改III 遅い決定
2021/8/7
日本は時間を守ることについては優れているようで、電車が時刻表通りに運行される。
初めて行った外国、オーストラリアでは、シドニーからブリスベンまでのバスのチケットを買った時に「1時間遅れてる」と言われた。少し怪訝な顔をしたら、どうも英語が分からないと思われたようだった。多分、そう言う時に英語で何と反応して良いか、まだ分からなかったので、自分の反応が鈍かったのだろう。
逆に、日本では一度決めたスケジュールはなかなか変えない、と言う硬直したところもある。
近所にできた歩道橋は、工事が終わる前から「○月○日の正午に供用開始」と言う掲示があったが、その1週間以上前には工事は終わっていた。ただ、通れるようになったのは当初の予定通りの日時。工事後の検査などがあったのかも知れないが、完成したのであれば前倒しで通れるようにすれば良いのに、と思っていた。
さて、残り少なくなった東京オリンピック。
最終盤になり、急な時間変更がいくつかあった。
女子サッカーの決勝が、試合前日になって昼間から夜に、さらに会場の変更が決定された。それに伴い男子サッカーの3位決定戦、メキシコvs日本も1時間前倒しになった。
女子マラソンも午前7時から6時スタートに変更された。こちらもレース前日の夜になっての決定。
どちらも猛暑を避けるための変更。
天候による変更は、他のスポーツでは良くあることだと思うが、日本で行われるサッカーやマラソンでは、少なくとも前日の急な変更は少ないのでは、と思う。
残念ながら女子サッカーの決勝はテレビ放送が無くなってしまったようだが、他はテレビ放送も試合時間変更に合わせて変更された。
先週には、テニスの試合も午前中から午後の遅い時間に変更されている。
恐らく、試合時間そのものの変更は、日本では無く「融通性のある」IOCが決めたことだとは思うが、テレビなどは日本側の対応。
最初に決めたことが不都合だと分かると、柔軟に変更する、と言うのはとても大事。
決めるまでには時間が掛かるが、決まってしまえばい何が何でもその決定を変えない、と言う日本的な対応には色々と限界があるように思う。
最も大きな問題は「決まったことは変えられない」と言う意識があるために決定できない・決定しない、と言うことか。
「早く決定し、環境が変われば柔軟に変化に対応する」と言うのが、ビジネス分野でも足りないと感じることが良くある。
ただ、今回の女子マラソンとサッカーの試合時間変更は猛暑が理由、もっと早く変更を決定できたはずだが。