安心安全な日本
2021年8月5日
少し前まで嫌になる程聞いていた「安心安全」と言う言葉もこの1〜2週間は聞かなくなったような気がする。
全国の新型コロナ新規感染者数が1万人を越え、オリンピック選手村ではギリシャ・チームにクラスターが発生し、首都圏もオリンピックも安心安全では無くなったからだろうか。
東京オリンピックには当然多くの国・地域の人たちが参加している。中には安心・安全とは言えないところもある。
オリンピックを巡るニュースでは、そんな国々がニュースになっている。
直近のニュースではベラルーシ。
陸上競技の選手が未経験のリレーに出場するように言われ、反発した為強制帰国を命じられたことになっている。以前にもSNSで政権に批判的なコメントをしたとも言われているその選手は、ヨーロッパ最後と言われる独裁国家のベラルーシに帰国すると拘束されるかも知れない、と言うことで亡命を希望、ポーランドが受け入れた。
香港では、金メダルを獲った選手を讃えるメダル・セレモニーで、中国国家が流されたことにブーイングをした市民が身柄を拘束されたと言うニュースがあった。
香港は中華人民共和国の一部とは言え、オリンピック委員会は別で、独自の地域代表として出場している。報道によると1997年に香港が中国に”返還”された後の初めての金メダルが今回のフェンシングだったようだ。
大阪泉佐野市の合宿を抜け出したウガンダの選手もニュースになった。経済的な困窮が理由で日本で働きたい、と言うことだったが、説得され帰国したようだ。ウガンダの政治については知らないが、経済面で安心・安全ではないと言うことだろう。
前回のリオデジャネイロ・オリンピックからは難民選手団も参加している。母国から追い出され、または、逃げ出して帰る国が無くなったアスリートたち。個人個人にとっては、生まれた土地が安心できる地では無くなったのだろう。
こうやって考えてみると、日本はまだまだ「安心安全」な国、と言っても良いのかも知れない。
国民の期待と、政治家が言っている「安心安全」とは意味が違うような気もするのだが。