セミの声

2021/8/2

閑さや岩にしみ入る蝉の声

松尾芭蕉が詠んだ有名な俳句。今の山形県にある立石寺(りっしゃくじ)で詠んだと言う。
山寺とも呼ばれるこのお寺にはこの句をしたためたせみ塚と言う石碑がある。年月が経ち、碑に描かれた文字は読むのが難しいが、歴史を感じる。

最近は、観ているかどうかは別として、テレビのオリンピック中継をつけっぱなしのことが多い。
昨日もテレビをつけながら、別のことをしていたが、セミの声がうるさい。
自宅周辺には大きな木は無いので、セミの声が聞こえるとしても、電柱にとまっているであろう数匹のセミ程度。
昨日は、いつに無くうるさいと思っているとテレビから聞こえて来るアブラゼミの鳴き声だった。テレビではゴルフ中継中だった。

セミは、多くの日本人にとっては、夏のお馴染みの鳴き声だと思うが、海外ではセミに馴染みの無い国も多いようだ。

山寺からの風景

初めて行った外国はオーストラリアだったが、どこだったかちょっとした茂み(ブッシュ)に行った時に、セミが鳴いていた。日本では見慣れない翅が透明で緑色のセミだったが、現地の人が「セミ(cicada)だよ」と、さも珍しいものに出会ったように教えてくれた。

アメリカ人が夏に仕事で日本に来た時も「このうるさい音は何だ?」と尋ねて来たので「Cicadas」だ、と答えると「何年かに一回大発生する昆虫か?」と言っていた。「日本のセミは毎年いる」と言うと不思議そうな顔をしていた。

セミ、特にアブラゼミの鳴き声は本当にうるさい。夏の暑さを何倍にも増幅してくれる感じがする。
しみ入る蝉の声を吸収してくれる岩があれば、少しは涼しくなるだろうか。

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