仮想通貨と日本の常識

2021/6/15

中米エルサルバドルでビットコインを法定通貨とする法案が可決された。

ビットコインと言う名前は有名だが、自分では持ったことがないので説明が必要な人はインターネットで検索して欲しい。

これとは別に、先日アフリカの現状をリポートするテレビ番組を観ていたら、なるほど、と思うことがあった。

日本をはじめ先進国の多くは、通信手段として固定電話を使い、お金の管理は銀行を使っている。
もちろん最近は固定電話を持たない人も増えているとは思うが、そう言う人でも親の世代は、固定電話を過去に使っていたと言うのが普通だろう。そんな社会では、携帯電話やスマホになっても、電話番号があるのが当たり前。給料の振込先やクレジットカード料金の引き落としは銀行口座。

そのテレビ番組では、アフリカ諸国の多くは固定電話を持っていた人は非常に少なく、銀行口座を持っている人もほとんどいない、と言っていた。

そんな「過去の」サービスの代わりに経済発展著しいアフリカ諸国で普及が急なのが、スマートフォン。それに仮想通貨。
通信も決済もスマホ一つあれば行えると言う社会になっている。

翻って、我が国では電話と銀行口座があることを前提に社会が成り立っている。
デジタルネイティブと呼ばれる若い世代でも、電話番号や銀行口座が無いと、社会生活が営めない。本当は、LINEなどのSNSで通話も含めた連絡をし、スマホ決済が行えれば、煩わしい昭和の遺産を使う必要が無い。
逆に言えば、高齢化社会の大部分を占める中高年以上の人にとっては、銀行口座と電話番号があれば生活には困らず、今更「訳の分からない」仮想通貨やスマホ決済など不要。

残念ながら、現代日本の社会システムを取り仕切っている人たちは、まだまだ昭和世代が多い。
新しいことを行うために、過去の遺産を捨てる、と言う方向性は取れない。
少なくとも新旧技術の融合やスムーズな世代交代ができれば、これからの日本にも期待ができるが、相変わらず日本の企業や官庁は「前例が無い」ことはしないように思える。

少なくともデジタルネイティブ世代には、日本だけでは無く、アフリカや東南アジア、中南米も含めて広い視野を持って欲しいと期待する。

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