PCR検査をめぐる「バカの壁」
2021/6/10
解剖学者・養老孟子さんが書かれた「バカの壁」と言う100万部を優に超えるベストセラーがあった。自分はバカなので読んだかどうか覚えていないが、これがバカの壁の例なんだろうな、と言う体験をした。
訳あって新型コロナウィルスのPCR検査を受けた。その訳と言うのはこうだ。
先週、仕入先の人と一緒に顧客企業を訪問した。その人が運転する車で移動、途中で昼食を食べてから午後の打合せに行った。翌日、その仕入先の人が発熱・咳で検査を受けたところ新型コロナ陽性だった。
今週になってから、その連絡を受け、濃厚接触者疑いの我々(自分と会社の同僚)は、会社の指示でPCR検査を受けることになった。
発熱相談センターなどに電話で問い合わせると、取り敢えず自宅近くのPCR検査対応病院・医院をいくつか紹介してくれた。それらの医療機関に電話するとPCR検査できるのは「保健所から濃厚接触者と認定された人」または「発熱その他の症状がある人」だけ、と言われた。
先程とは別の保険センターに電話して事情を説明し「自費で構わないので検査してくれる医療機関を教えて欲しい」と尋ねると「こちらではそう言う情報は持っていません」。呆れてキレそうになったが「電話口の人の責任では無い」と自分に無理矢理言い聞かせ、穏便に電話を切った。
その後会社にアドバイスを求めたり、ネット検索したりしたが、結局、厚労省のホームページに自費検査対応医療機関のリストが掲載されていて、その中の一件に電話し、当日午後に検査をしてもらった。
保健所や保険センター、発熱相談センターなど全て厚労省の所轄だと思う(違うのかな?)のだがどうして「そう言う情報を持ってません」と堂々と言えるのだろう。
「『厚労省』『PCR検査』で検索すればリストが見つかります」と一言教えてくれれば良いのにそんな簡単なことも言えないのだろうか?
正に「バカの壁」。
それよりも、これらの問い合わせが電話と言うのも不思議。確かにメールだと時間差があるかも知れないが、チャットなどで良い。
チャットサイト(チャットボット)はあったので、検査機関を教えて欲しいと問い合わせをしてみると、「本日の〇〇の感染者数は〇〇人」「重症者数は〇〇人」などと返ってきた。
先日受講したAI(人工知能)の講習で「AIが何でもできると期待してはいけない」と言う貴重な教えがあったので、チャットボットについても呆れただけだが、PCR検査一つに関する体験だけで「日本は大丈夫か?」と非常に不安になった。
PCRについては検査翌日に結果の電話連絡があり、陰性。一安心だったが、別の場所で検査を受けた同僚は陽性だった。陽性が判明した日から微熱と体のだるさ、その後高熱が出て入院した、と言うことで心配だ。
一回のPCR検査だけで、100%陰性かどうかはわからないので、自分もしばらくは体調には留意しないといけない。余りにも気にし過ぎると、どこか調子が悪いのでは無いか、と疑心暗鬼になり精神的に(恐らく身体的にも)悪いのだが。
参考までに、厚生労働省「自費検査を提供する検査機関一覧」