Force majeure 英文契約書

2021/5/21

「Force majeure」と言う言葉を見て、すぐに分かる人は英文契約文書に触れたことのある人だけだろうか。少なくとも学校の英語の授業で習う単語では無い。

最初に見た時、と言うか、しばらく何と読むのか知らずにいたが、無理矢理カタカナで書くと「フォースマジュール」となるようだ。どう見ても英語の言葉では無いが、フランス語起源の言葉、日本語では「不可抗力」。
契約書には必ず書かれている内容だが、今までは「戦争・紛争」「自然災害」「暴動・テロ」「ストライキ」など契約当事者の責任では回避できない項目が並べられていた。

商業の世界では、これら不可抗力により、モノが作れないとか、輸送ができないなどの事故が起きても、契約当事者の責任は問わない、と言うのが主な主旨。

昨年はじめの新型コロナの世界的蔓延以降、感染症の世界的大流行がこの不可抗力に含まれるかどうか、と言う議論が起き、以降の契約書のForce majeure条項には「pandemic」を加えるように、と言うアドバイスを受けた。ちょうど、昨年の今頃、ヨーロッパのメーカーとの契約締結を手伝っていた時の話し。

そんな当たり前のForce majeure条項が全く無い契約もあるらしい。
内容を読んだわけでは無いので「らしい」としか言えないのだが、IOCと東京都、JOCが締結した「Host City Contract」。
もし、Force majeure項目が無いとすると、戦争が起きても、暴動が起きても責任逃れはできないことになる。
契約が結ばれた2013年9月7日時点では、当然パンデミックは想定外。

と言うわけで、東京都やJOCから契約解除を申し出るとIOCから責任を追求されることになるのだろう。
契約当事者で無い日本国政府が中止を強く申し入れれば、契約違反にはならないのでは、とも思えるが契約内容を読んでいないので詳しくはわからない。

契約内容に興味のある人は、以下のサイトから閲覧できる。
https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/hostcitycontract-EN.pdf

ところで、宇都宮けんじさんが発起人となってオリンピック反対に対する署名運動がネット上で活発で、37万筆以上の賛同を集めているが、これに対抗してオリンピック賛成の署名集めも行われている。
この賛成運動を呼びかけているのは、竹田恒泰さん。先程の「Host City Contract」にJOC代表として署名したのは正にその竹田恒泰さんだった。

東京オリンピックの中止・開催に意思表明をしたい方は以下からどうぞ。

キャンペーン · 人々の命と暮らしを守るために、東京五輪の開催中止を求めます Cancel the Tokyo Olympics to protect our lives · Change.org

キャンペーン · 人々の夢と希望をつなぐため、東京五輪の開催を支持します · Change.org

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