スペイン風邪と飲酒
2021/5/1
今から約100年前に当時スペイン風邪と呼ばれたインフルエンザが世界的に流行したことは、新型コロナが蔓延し出した頃からニュースその他で報道されているので、ご存知の方も多いと思う。1918年〜1920年に流行したらしい。
それから100年後、新型コロナが収まらない日本、東京や大阪では三度目の緊急事態宣言が発令され、多くの地域では飲食店の酒類提供の禁止や自粛要請がされている。
丁度100年前、アメリカ合衆国では悪名高い法律が施行された。禁酒法。英語では、大文字で始まる“Prohibition”と呼ばれる。普通名詞の“prohibition”は“禁止”と言う意味。大文字で始まる単語が用いられると言うのは、アルコール類を禁止されるのは重大事件だったことの象徴。
驚くべきことに、この禁酒法、1933年まで13年間も続いた。
厳格に法律が守られたかと言うと疑問で、密造酒が盛んに作られ、有名なアル・カポネなどマフィアの資金源になった。
スペイン風邪とアメリカの禁酒法との直接の関連は分からないが、今回の日本の“プチ禁酒法”は新型コロナ対策。確かにアルコールが入るとマスクを外して大声で話してしまう人が多くなりそうなので、酒類提供禁止は対策としては意味のあることかも知れない。
ただ、アメリカの禁酒法が失敗に終わったように、日本のプチ禁酒法も実効性が伴うかと言うのは甚だ疑問。
どうせ守れない規制であれば、飲食店などで飲む酒類には地域限定・時期限定でも良いが高い酒税を課して、新型コロナ対策の財源に使うなど、飲食店も財源も守ると言うのはどうだろうか?
実務的にはどうすれば良いのか分からないが、優秀な立法府の方々に期待したい。