ゴールデンサンプル と オリンピック

2021/4/12

工業製品を比較する時に、色々な視点があると思うが、その中に品質と信頼性と言うのがある。

品質とは性能が高い、優れていると言う指標。
一方の信頼性は、全ての製品が同じような品質を持っていること。当たり外れが無いこと。

身近な例では、100円ショップに売っているものは、品質はそれなりに高いが、信頼性はそれほど重視されていない。頻度は少ないと思うが、ハズレの個体がある。
もちろん、そのために安く生産、販売できるわけなので、文句を言うわけでは無い。例えば、10個の内1個程度品質の少し劣るものがあったとすれば、2個買えば、ほぼ間違いなく1個は想定通りに使える。また、100円なので少しくらい期待外れでも構わない。

これが、最終製品に組み込む部品などになると話は違う。いくら安い部品でも、品質に満たないものがあると、それを使って作り上げた製品全体が使い物にならなくなる可能性がある。

そう言うわけで、信頼性が不明な初取引企業の部品を使う時などは、サンプルを何回も評価して、最終的に採用するかどうかを決めるのが普通。その時は、サンプルを無差別に送ってくれれば良いが、得てして優れた品質のサンプルだけを選りすぐって送って来ることがある。ゴールデンサンプルと呼ぶが、これを信頼して大量発注すると後で大変な事態になることもあり得る。

最近は、各種スポーツの国際大会が開かれるようになった。
日本だとサッカーの親善試合やワールドカップ予選、海外だと大坂なおみ選手が優勝したオーストラリア・オープン・テニス、アメリカ・ジョージア州で開催され松山選手が優勝したマスターズ・ゴルフなど記憶に新しい。
これらのスポーツは、参加する選手数が限られている。選手の国の数もそれほど多く無い。

サッカーやテニスの大会が新型コロナ禍でも安全に開催された、と言う理由で、オリンピックが安全に開催できると言うことにはなるのだろうか?
前回、リオデジャネイロ大会の参加国・地域数は200以上、選手数は11,000人以上。200以上も国があると、全員にワクチン接種が間に合うと言うことは非常に期待薄。

ゴールデンサンプルだけを評価して、量産品で苦労する、と言うことにならないだろうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です