比叡山と桜
2021/4/7
昨日の朝、駅まで歩いていると自転車で走って来た女性が急に止まり、自転車を降りた。
“邪魔なところで止まるな〜”と思っていると、バッグからカメラかスマホを取り出そうとしながら“写真写真、ハナミズキ”と呟いていた。植物や花にうとい自分には花の種類は分からなかったが、綺麗に咲いていることは分かる。
この時期、4月の初めと言えば例年だと桜。
今年は、東京近辺ではすっかり散ってしまい見頃は過ぎてしまったが、この季節の挨拶の一つは“花見した?”。
この“花見”と言うのは、狭い意味ではもしかしたら桜の木の下で宴会、または、バーベキューと言うことかも知れないが、単純に桜の花を愛でる(めでる)だけでも花見と言える。
いつだったか職場の先輩に“花見した?”と聞かれたので、“しましたよ、ポピー”と答えたら、案の定、“それ花見じゃ無いじゃん”と言われた。ポピーは、木に咲く花では無く、草花。ポピーの花も綺麗な花だが、ポピーの花を愛でても“花見”とはカウントされない。差別的だとポピーに成り代わって憤りを感じた。ハナミズキも同じ。
この花見と言えば桜、平安時代からの風習なのかも知れない。
高校の時に習う古文、その先生が、“花と言えば桜、山と言えば比叡山”と勝手に決め付けていた。
勝手に、とは書いたが、恐らく、平安時代の都の世界観はそんなものだったのだろう。
高校時代は京都で過ごしたが、桜も比叡山も“そんな特別なもんちゃうやろ”と常々思っていた。古文が好きになれなかった理由の一つかも知れない。
流石に比叡山では無いが、今の日本人にも“花は桜、山は富士”と言う狭い固定観念があるかも知れない。
もう少し世界に視野を広げ無いと。