「100キロで行って」 中国のドライバー

公職選挙法違反で昨日(2021/3/23)衆議院議員辞職を表明した元法務大臣。昨年夏には「100キロで行って」と道交法違反を教唆する発言をしたとも報じられていた。
そんなニュースを見て上海の運転手を思い出した。

上海に行ったことのある人なら同意してもらえると思うが、日本人が上海で運転するのは“少し”苦労する。
初めて上海の運転状況を目にする日本人の多くは上海には「交通ルールが無い」と言うが、決してルールが無いわけでは無い。ルールが日本や欧米とは違う、だけである。自分も含めて日本人には中々理解できないルールがある。

移動には車を使うことが多かったが、日本企業の多くは運転手付きの車を長期で借りる契約をしている。

上海にいた時は、そんな運転手のお世話になったのだが、出張等に行く時に「〇〇までどれくらい掛かる?」と尋ねるといつも「何時に着けばいいんだ?你説(言ってみ)」と返された。例えば「10時」と答えると、ほぼその通りの時間に着くように運転してくれた。規制速度を守っていると到底間に合わない場合でも何故だか間に合う。不思議だった。勿論、こちらから「100キロで走ってくれ」と言った訳ではない。

北京の運転手も運転技術が優れていた。

1990年代後半に初めて中国出張に行った時に北京首都国際空港まで迎えに来てもらったのだが、当時の空港は到着ロビーの前は迎えの車が二重、三重駐車が当たり前だった。その出張の時も、迎えの車は歩道側に停まっていたが、その外側に二重に駐車車両があった。車に乗れと言われて乗ったのだか、どうするのかと見ていると何度も前に後ろに切り返しをして、他の車に文句を言う事もなく上手く抜け出した。周りの車も、スペースを空けようと移動する訳でも無い。実際は、どの車も何とかすれば抜けられる程度の間隔は空けて停まっていた。

深圳に行った時も運転手は素晴らしかった。取引先の運転手だったが、渋滞で中々進まないな、と思っていると、急に歩道に乗り上げ、一方通行(と思われる)の側道に入り、そこを逆走。渋滞箇所をアッサリと抜け出した。一方通行「と思われる」と書いたのは、標識はどう見ても進入禁止になっていたが、それは日本人の常識で見たから。

もしかしたら中国では「できるだけ」進入禁止、と言う、交通ルールと言うのはどこかの国の自粛要請程度の意味なのかも知れない。

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