他人の喧嘩 米中会談
バイデン政権になってからの初めての米中2プラス2会談は異例の展開になったと報道されている。
外交と言うのは、心にどの様な思いがあっても、胸の内は隠して儀礼的に接するのが普通だったと思うが、今回は違った。
相手を挑発する外交で有名なのは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)。核兵器は持っているとは言え、アメリカや中国に比べると小国と言うのを自覚し、相手を挑発することで自国の存在感を示す、瀬戸際外交とも呼ばれている。
日本では、大きな犬は大人しいが、小型犬はキャンキャン吠えてうるさい、と言われる。犬を飼ったことは無いので正しいのかどうか分からないが、強い犬は吠えなくても自分が勝つことは分かっているのか。
今までのアメリカは、恐らく“吠える”ことは無かったと思う。
今回の会談は冒頭で二人のアメリカ側出席者(ブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官)がそれぞれ2〜3分の開会の辞を述べ、それが中国を刺激した。楊洁篪 政治局委員が反論し、40分間もの“演説”を行なったようだ。
批判されるかも知れないが、他人の口喧嘩は見ていると面白い。勿論、自分に火の粉が降りかかって来ない限りであり、また、口喧嘩が取っ組み合いの大喧嘩に発展しない限りは、と言う条件付きではある。
今回は両国が歯に衣着せない会談をした。と言うことは今までタブーとされて来た問題に対し、正面切って話題にできることになる、と言うことだろうか。
1日目(3月19日金曜日)の会談後にたまたま聞いていた台湾のネットラジオのニュース解説では、アメリカが「台湾と言う“国家”」と言っていた、と強調していた。今までは「国と地域」と言う表現で誤魔化されていた“国家”に対する世界の立ち位置も変わるのだろうか。
良い作用も有れば、悪い反作用もあり得るので、単純に喜べるかどうかは分からないが。
今回の口喧嘩、火の粉がふりかからないとも、大喧嘩に発展しないとも言えないところが不穏である。