内モンゴルの草原
内モンゴルに行ったのは2003年の夏。
内蒙古自治区の省都・呼和浩特(フフホト)は、北京から北北西へ約500km、東京から大阪とほぼ同じ距離。
2019年末に北京から高速鉄道が開通し、所要時間は2時間少しになったそうだが、2003年当時は夜行列車で10時間程度掛けて行った。当時の中国では、10時間の鉄道旅はどららかと言うと短い方。
夜行列車で朝に到着したフフホトはそれなりに都会ではあったが、車で1時間も走ると広大な草原が広がり、これぞ“モンゴル!”。
バスが宿泊地に着くと音楽とハタでちょっとした歓迎式。
その日は、モンゴル相撲のパフォーマンスやナーダムのデモンストレーションを見物した後、個人的には一番楽しみにしていたホース・トレッキング。
背の低い馬がツアー参加者一人一人にあてがわれ、特に注意事項も無く先導のガイドと共に出発。
しばらく大人しく歩いていた馬たちも、一頭がトロッティングを始めると全員が争うように走り始める。騎手の手綱さばきなど関係無い。毎日のようにトレッキングに行っている馬たちは目的地も熟知していて、単なる日常の運動の一環。
どれくらいの時間乗っていたがはっきりした記憶は無いが、片道30分くらいだったか。
目的地で馬を降りて適当に時間を過ごし、帰りも同じ馬に乗って帰って来た。
帰り道では、これからトレッキングに行く馬達とすれ違う。馬同士はぶつからない様にすれ違うが、人が乗っていることなんか気にしていない。鎧(あぶみ)どうしがぶつかる金属音が時々聞こえる。
楽しいトレッキングだったが、ふくらはぎの内側に打ち身ができてしばらく痛かった。多くの人は、尻とサドルがぶつかって、座れなくなるようだが、ずっと中腰で乗っていた自分は両脚で馬の身体を挟んでいたので、ふくらはぎの内側。乗馬ブーツの意味が分かったが、そんなのは知らずに普通のスニーカーで乗っていた。
その日は、神聖な羊の解体の様子見学したり、モンゴル茶を飲んだり、と草原で過ごす。
宿泊は4〜6人用程度の“包(ゲル)”。壁にはジンギスハーンと思われる写真が飾ってあり、いかにも観光客用と言った様相。
食事は大きなテント。何人くらい入れるか分からないが、6〜8人程度のテーブルが沢山並んでいる。
幸いなことに夕食は“中華”料理では無くモンゴル料理。中国語では、手扒羊肉と呼ぶ料理。たぶん、日本ではホルホグ。基本的には羊肉しか無く、しばらくは美味しいが段々と飽きてくる。観光客用なので、蒸した野菜の付け合わせもあり、箸休め(?)もあった。
勿論、アルヒ(モンゴル焼酎・ウォッカ)はあるが、それ程飲んだ記憶は無い。飲み過ぎて記憶が無い、わけでは無いはず。
モンゴルの草原にはトイレも無い。と言うか、草原がトイレ。
残念ながら(?)泊まったところにはキャンプ場のようなトイレもあったが。
翌日は砂漠観光。
定番のラクダに乗って写真を撮るサービスもあったが、鳥取砂丘と同じだな、と思った。
草原を堪能して帰りは再び夜行列車で北京へ。
車中2泊を含めて3泊の旅行は、短い割に楽しかった。