成田発 関空経由 ロサンジェルス行き
日経新聞に「コロナ禍、経費7兆円減 テレワークで出張・交際費絞る」と言う記事があった。
一昨年(2019)12月を最後に海外出張には行っていない。昨年の3月頃からは会社でも海外出張は原則禁止になっている。海外駐在員の交代では、海外との行き来はあるが、数える程度。
10年前の東日本大震災直後にも海外出張は一時的に減った。
当時の上司は2011年3月11日は海外出張中だったが、帰国予定で空港に着くと予約していたJALは欠航、ANAも欠航。それでも一刻も早く帰国したい、と言うことで海外キャリアの便で帰って来た。震災翌々日くらいだったかと思う。
当時は、計画停電で不便な生活を強いられていた地域もあり、店からはペットボトルの水が消えていた。その上司はペットボトルの水を買い込んで大量に、と言っても半ダースか1ダースだが、持って帰って来た記憶がある。
自分は、翌月4月に海外出張を予定し航空券やホテルの手配はしていた。
震災直後は首都圏の電車も運休していて、出張どころでは無かったが、震災から2週間もすると徐々に落ち着き、予定通りの出張で良いか同行の国内取引先や出張先の海外取引先と相談ができる状態にはなっていた。結局当初の予定通りに4月初めに出張に行くことにしたが、予約していたのはシンガポール航空の成田発ロサンジェルス行き。
当時日本に就航予定だったエアバス社の総2階建の大型機A380に乗ってみたいと言うのが、シンガポール航空にした一つの動機だった。
ところが震災の影響で渡航客が減少し、大型機の必要が無くなった為A380の就航は延期。何だったか忘れたが別の機種でのフライトになった。それは良いのだが、フライトのルート。成田からロサンジェルスは普通はダイレクトに10時間程度。4月の出張時は成田発関西空港経由でロサンジェルス行きとなった。
当時は関東地方でも大きな余震が頻繁し、日本で交代するシンガポール航空の乗務員が、東京では安心して休息できないということで、交代を関西空港に変更した為。関空には夜中に着陸はするものの乗客の乗り降りは無く、乗務員の交代だけ行ってロサンジェルスまでのフライトとなった。
東日本大震災後にはこのような多少の不便はあってもこのように海外出張もすぐに普通に行けるようになった。
我が社での海外出張者の延べ人数は知らないが、新型コロナ禍に翻弄された今年度(2020/4〜2021/3)はゼロ、または、限り無くゼロに近い人数になるのは間違いない。この先もしばらくは、少なくとも短期の海外出張はできそうも無い。
海外出張だけで影響の大きさを考えるのは少し乱暴ではあるが、震災よりも感染症の方が社会への影響が大きいように思える。
もちろん、東北地方の沿岸地域など直接大きな被害を受けた方のご苦労・悲しみについては忘れてはいけない。