カラクリ湖 – 新疆ウイグル自治区

昨日に続き、新疆ウイグル自治区の話題。今回は純粋に旅の話。
昨日書いたが、カシュガルには知り合いのベルギー人の勧めで訪れた。そのベルギー人が言うには「カラクリ(卡拉库里)湖と言う湖に行ったが、今まで見た景色で一番素晴らしかった。是非とも行ったほうが良い」。他人の意見に左右される自分としてはどうしても行きたくなった。

カシュガルで宿を手配してくれた旅行会社に頼んだが「一人でチャーターもできなくは無いが高い。他に行きたいツアー客が居ればそこに混ぜてあげる」と言われていた。土曜日の午後になって「明日、カラクリ湖に行く中国人客がいるので、一緒で良ければ行ける」と言われ、二つ返事でお願いした。ランチと飲み物は自分で用意しておけと言われ、ペットボトルの水とフルーツを買って持って行った。

カシュガルは日曜日のバザールが有名。バザールを見てみたい気持ちもあったが、気持ちは既にカラクリ湖。

日曜日のまだ暗いうちに起き、10~12人程度が乗れるバンで出発。
暗いうちと言っても、朝7時ごろ。中国国内には時差が無いので、カシュガルでも北京時間。地理的には3時間くらい太陽が昇るのが遅い土地。

バザールに向かう荷車がスクーターや馬、ロバ、さらにはラクダに引かれて街に向かって行く。
それらとすれ違い我々は一路郊外へ。買い忘れたものが有れば、と言うことで途中の集落で止まり、ベーグルのようなナンを買う。

しばらくは、舗装道路(※2)が続いたが、途中から砂利道。
浅い川に架かっている橋が壊れているところがあり、車は川に降りて石がゴロゴロしている川を渡る。
しばらくすると、検問。

中国には個人では行き来できないところが沢山ある。タジキスタンやキルギスとの国境に近いカラクリ湖もそう言った場所の一つにある、特に外国人には厳しい。どう言う仕組みか分からないが、旅行会社のツアーだとOK。

カラクリ湖

カラクリ湖、期待が大き過ぎたからか、曇っていたからかも知れないが、単なる湖。
晴れていれば太陽の光を反射してもっと美しかったのかも知れない。もちろん、普通に良いところではあった。

行ったのは8月だったが、湖の向こうには雪に覆われた7000m級の山(※1)、湖の青・緑とのコントラストはそれなりに美しかった。その時に思ったのは何故だか「沖縄・西表の海には敵わない」。

少し風景を楽しんでから、適当な広場を見つけ、ツアーガイドが持って来たビニール袋や新聞紙を敷いて車座に座り、昼食タイム。
中国人たちは、定番の中国料理の炒め物とご飯をビニール袋に入れて持って来ていた。
自分はフルーツとナン。
中国料理も薦められたので少しは箸を付けたが、ウイグルでわざわざ中国料理は食べたくない。郷にいれば剛に従え。

ナンを食べていたのは、自分とウイグル人運転手の二人だけ。
運転手は中国語は話せなかったので、会話はできなかったが、ナンを齧りながら眼を合わせた途端に、お互いにニッと笑い心が通じ合った。
近くにはピンクや赤などカラフルな民族衣装(※3)を着た子供達が我々とは適度な距離をとって通り過ぎて行く。

昼食が終わり、腹ごなしの休憩後に帰路へ。
昼食で出たゴミはガイドか率先して、その辺りな大きな石の陰に捨てていた。
「こんな所に捨てないで持って帰らなきゃ」と言いたかったが、帰りの車に乗せてもらえないと困るので言うのは思いとどまった。


後ほど調べたところでは;
カラクリ湖(卡拉库里湖):
カシュガルから191km。標高3600m。
※1: パミール高原の一端にある標高7,509mのムスタグアタ山(慕士塔格峰)。
※2: カラコラム・ハイウェイ(中巴公路)。 
※3: キルギス系の遊牧民族(柯尔克孜族)。

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