87万人 出生数

2020年出生数の速報値が87万2千人と発表された。統計開始以降の最小と言うことで、少ないと言うのは想像できるが、87万人と言うのがどう言う意味なのだろうか?

都道府県人口(2020年国勢調査)で言えば、全国42位の山梨県と43位の福井県の間。
世界で見るとガイアナやブータンの人口と同じくらい。

こんな数字の比較を並べても“だから何なんだ?”と言う感じ。

もう少し実感の湧く方法で考えてみると、
日本の人口は約1億2千万人。
日本人の平均寿命(2019年)は、女性87.45歳、男性81.41歳。

仮に毎年の出生数が昨年と同じ87万人、全員の寿命が85歳だと考えてみると、単純計算で人口は
87万人x85年=7,395万人。
今と比べると約40%減少することになる。
今の人口を維持する為には、計算上は、
①全員が140年生きる
②毎年の出生数は140万人に増やす
のいずれかと言うことになる。

昨年の出生数87万人、と言うのはそう言う意味を持つ数字。
医療の進歩などで平均寿命は伸びているが、いくらなんでも140歳になることは、少なくとも近い将来、昨年生まれた赤ん坊が寿命を迎える頃までに実現するとは余り思えない。
そうするとやはり出生数を増やすしか無いことになる。こちらも今の社会情勢を考えると、100万人くらいにはなるかも知れないが、140万人は遠い数字に思える。

政府もマスメディアも「90万人割れ」とか「過去最小」とか危機感を訴えているとは思うが、実感として伝わってこないのは、身近な数字(この場合は日本の人口)に結びつけて話してくれないから、だと思うのは自分だけだろうか?
みなさんにとっては、こんな計算をしなくても87万人が危機的な数字だと言うのはすぐにわかるかも知れないのだが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

世界と日本

前の記事

ミャンマーとラオス