組織トップへの批判 日本とアメリカ

日本では東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会会長の女性蔑視発言やその謝罪会見などに対し、同会長への批判が高まっている。
時を同じくしてアメリカでは前大統領の弾劾裁判が始まっている。
世界的な大イベントの長と大国の長、賛否はいろいろあるのだろうが、どちらも不適切な発言が引き金になっている。

アメリカ合衆国前大統領は、不適切な発言で今年1月6日の連邦議事堂襲撃を扇動し、また、それをすぐには止めさせなかった。結果として5人の尊い命が失われ、これが弾劾裁判に繋がっている。
弾劾裁判に先立ち、弾劾裁判の正当性が問われたが、民主、共和の議席数が50人ずつと同数の上院で賛成多数(56人)で裁判自体は正当だとの判断が出されている。共和党からも6人の賛成者があったことになる。
民主主義法治国家の大統領であり、憲法・法律に則り、正当に裁きを受けることになり、裁判の様子はテレビなどでも報道されている。政治的な駆け引きは当然あるとは思うが、結果がどうなるにせよ公開の場で審議され、結論が明確に出されるものと思う。

一方は、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は、独立した公益財団法人であり、原則的には政治家を含め外部から人事に口出しはできない。同委員会の自浄効果を期待するしかないが、世の中の”空気”により人事や組織のあり様が変わって行くと思われる。
世論やスポンサー企業、アスリートなどからの批判の声が高まり、一度は問題解決を図ろうとしたIOCも手のひら返しで批判を強めている。
この原稿を書いている時点では、進退がどうなるのか分かっていないが、形式的にどうなるにせよ密室で結論が出ることになりそうだ。組織委員会の会議を公開するなど、密室会議を避ける方法もあるとは思うが、これは実現するとはあまり思えない。

アメリカは公開、日本は密室、と言いたくなってしまうが組織の性格上これはある程度やむを得ない。

そう言う意味では、多くの人が声を上げていくのが良いのかも知れないが、マスメディアやSNSなどネット上の意見や雰囲気に左右されず、自分で判断して声を上げることが求められる。

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