プリンスエドワード島 赤と緑

カナダ北東部にある島、プリンスエドワード島(Prince Edward)、日本人、特に中年以上の女性には人気の島だ。
英語名「Anne of Green Gables」と言う小説の舞台、その作者が生まれ育った島。

Water Prince Corner Shopにて

2015年に出張で行ったプリンスエドワード島は、長閑な田園風景。トロントからの飛行機で空港に着いたが、空港には何も無く、タクシーは電話で呼んで来てもらう。産業は農業(ジャガイモ)、漁業(ロブスター)、観光。工業としては造船関係が少し。
訪問先の人たちがご馳走してくれたランチはジャガイモ主体、夕食には自分たちで奮発してロブスター。
また、翌日の午前中少し時間があったので街を歩いていると、アメリカからの大型クルーズ船でやって来た観光客が街の中心部を散策していた。観光客がショッピングに精を出すのは洋の東西を問わ無いようだ。

訪問した企業は、街の中心部から車で15分程度のところに本社事務所、そこから30〜40分のところに工場があった。その時はレンタカーを借りなかったので、訪問先の人が事務所から工場、宿泊先のホテルまで全て車で送ってくれた。
何度も書くが、長閑な田園風景が広がり、日本で言うと北海道。ほとんどの人がフランス語と英語のバイリンガル。
こちらが日本人だと分かると、誰もが「この島は日本人女性の観光客が多いんだ」と嬉しそうに言っていた。その小説を日本では誰もが知っていることが嬉しいようだった。

日本語の題名は「赤毛のアン」。
英語名「Anne of Green Gables(直訳すると『の切妻屋根のアン』)」とは全く違う。

確かに、主人公は赤い髪のアンと言う女の子。その舞台となった家には、残念ながら行かなかったが(仕事だったので)、緑色の切妻屋根の家が観光地になっているらしい。

アン・チョコレート

赤毛のアンは100年以上前の1908年に発表された長編小説。アンは赤毛と言うことで(他にも理由があったかも知れないが)いじめられた時代。日本語ではその容姿「赤毛」を題名にしているが、原題は住んでいた家の特徴「緑の切妻屋根」。
LGBTQやBLMなど近年は多様性を認めようとする動きが加速しているが、そんな中、「赤毛のアン」と言うタイトルは何となく違和感を感じるのは時代の流れだろうか?
子供の頃に読んだ記憶はあるが、勿論その時は違和感など感じなかった。

昭和の児童書では定番だった「ちびくろサンボ」が黒人に差別的と言う理由で、日本での出版が取り止められている(自粛のようだ)。
世界の名作の一つ「赤毛のアン」が同じような運命を辿るのは残念なので、題名だけでも原題に沿った名前に変えた方が良い時代になったかも知れない。

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