緊急事態宣言とメディア報道
新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言は、当初の予定の2月7日には解除される見込みは無くなって来た。
緊急事態宣言は日本でも過去に出されたことがあるが、多くに人の記憶に残っているのが、2011年の東日本大震災に伴う原発事故を受けて発令された原子力緊急事態宣言。
当時のテレビ放送を記憶を頼りに振り返ってみると、多くのテレビ局がお笑い系のバラエティー番組を中止し、多くの企業がコマーシャルを取り止め、公共広告機構/ACジャパンのメッセージが放映されていた。
当時は、東日本大震災の直接の被害に遭ったわけでは無いが、自分も周りも含めて、世間が何となく緊張していた感がある。
それに比べると今回(2021年1月~)の緊急事態宣言では、ニュース番組は確かに新型コロナ関連ニュースや情報が多くなってはいる。しかしながら、それ以外はテレビ番組も普段と特に変わりは無い。
飲食店やその他の施設は午後8時以降の営業を取り止めているところが大半だと思うが、多くの企業で会食自粛指令が出ている現状では、その時間に飲食店に入ることは無い。
電車もそれ程空いている訳では無く、普段の生活に関する限りは、東日本大震災後の緊張感と比べると如何にも緩い。
2011年当時と比べると、SNSが当たり前になり、マスメディアだけがニュースソースで無くなったのは確かだと思うが、それでもやはりテレビの影響は大きいと思う。
東日本大震災後のテレビ局は、強制されて番組編成を変えた訳では無いと思うが、今回の緊急事態でも、国民に緊張感を持たせるにはテレビ局の役割はそれなりに大きいのでは、と思う。
闇雲に娯楽系の番組を減らす訳には勿論行かない。緊急事態宣言下の生活で辛い思いをしている人達には、リラックスできる娯楽番組は必要だと思うが、余りに緩み過ぎて緊張感が感じられ無いのも、感染症予防効果が上がらない原因になっているかも知れない。