民主主義と数の暴力

どこにも行けない最近はネットやマスメディアから得た情報を元にこのブログを書くことがどうしても多くなってしまう。

WHOの調査団が新型コロナウィルスの発生源を探る目的で、中国・武漢に入っているのは日本のニュースでも報道されている。発生から1年以上経った今、どこまで実効性のある調査ができるのかは疑問だが、取り敢えず調査の進展を見守ろう。

一昨日朝の通勤電車で聞いていたネットラジオ(BBC)から。
中国としては、武漢が発生地とは認める訳にはいかず、他の地域が発生源だと主張している。
イタリアだとか、スペインのバルセロナ、果てはアメリカが発生源だ、と。
多くの国々はこの主張は信じていないが、中国国民は信用している、とそのニュース番組では言っていた。

BBCは日本のNHKのような感じのイギリスの公共放送だが、世界の放送メディアの中でも公平性と国際性が(少なくとも西側諸国では)認められている放送局。

世界の人口は約77億人。
国別第一位は中国の14.1億人、その次がインドの14.0億人。第3位はずっと少なくアメリカの3.4億人。
中国の人口は世界の約18%。

民主主義の議会制度には「数の暴力」と言う、多数派が少数意見を抑圧して、多数決で意見を通してしまうと言う弊害がある。

77億人の内、国際世論を動かしている国々の人口はどれくらいなのか、と言うのは難しいところではある。
例えば、人口1位、2位の中国インドG7サミット構成国(人口順にアメリカ合衆国、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ)ロシア、それ以外の人口上位5ヶ国(インドネシア、パキスタン、ブラジル、ナイジェリア、バングラデシュ)で並べてみると:
1.中国  : 14.1億人
2.インド : 14.0億人
3.その他人口上位5ヶ国 : 10.7億人
4.G7構成7ヶ国 : 7.7億人
5.ロシア : 1.5億人

国際世論と言うのはどう動くか難しいが、新型コロナに対する中国の主張への賛否を考えてみる。
例えば世界最大の人口を持つ民主主義国家・インドと「その他人口上位5ヶ国」の世論が真っ二つ(50:50)に分かれるとすると、
中国側: 14.1+(14÷2)+(10.7÷2)=26.5億人
反中国側: 7.7+(14÷2)+(10.7÷2)=20.1億人
ロシアがどちら側についても数だけで言うと、中国側が多数派となる。
もちろん、それぞれの国にも賛成、反対の両方の意見があるはずだが、今回は単純化のために上のようにしてみた。

本来、新型コロナの発生源は科学的に調査されるべきであるのだが、残念ながら科学だけでは動かないのが今回の新型コロナ騒動。
民主主義では無い最大の国家、中国、が民主主義の基本である多数決における問題点、数の暴力、を最大限に利用できるのが何んとも皮肉なところである。

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