天皇陛下とトム・ハンクス

在宅勤務の昨日、テレビを点けて仕事をしていたが、画面から流れてくるのはアメリカ合衆国の新しい大統領Joe Biden氏の就任式。
今までは、会社にいてその時間にテレビを見る事は無かったので、就任先の模様は後からニュースで抜粋だけを見ていたので印象は薄かった。
昨日も仕事をしながらなので、しっかり見ていたわけでは無いが、就任式はテレビ受けする様に演出されているな、と感じた。

Lady Gagaの国歌斉唱は日本時間の真夜中だったのでライブでは見なかったが、Tom Hanksがホストを務める就任式典も充分に“楽しめるテレビ番組”だった。4年に一度のこの盛大なセレモニーは、アメリカ人にとっては誇りに思えるイベントなんだろうなと思った。
勿論、政治思想にも依るので毎回毎回素直に喜べるかどうかは別だが。

スーパーボウルも同じような盛大な演出。こちらは、随分以前は取引先のテレビで見ていた時期があった。
恐らく母国で開催されるオリンピックも誇りに思える演出だと思う。

このように盛大なテレビ向けイベントだったアメリカ合衆国大統領就任式と違い、日本の首相の就任の様子は全く記憶に残っていない。
菅義偉首相の就任は昨年(2020年)の9月の事、たった4ヶ月前とそう遠く無い最近の出来事であるが。

日本の総理大臣は任期が短いので、毎回毎回そんな盛大な儀式をやっていられない、と言う理由はもしかしたらあるかも知れない。前任の安倍晋三氏は7年超と比較的長かったが、歴代平均は2年程度。

日本では新しい総理大臣が就任する際の重要な儀式は天皇陛下による信任式がある。
宮殿松の間で天皇陛下から「内閣総理大臣に任命します」と言うお言葉があるらしい。
ニュースでその様子は見た事はあるはずだが、静かな厳かな空間で執り行われていたのだろう、印象には残っていない。
もしかしたら雅楽の演奏はあったのかも知れないが、少なくとも桑田佳祐も松田聖子も嵐もAKBも歌ってはいない。ハリウッドスターの渡辺謙も歌舞伎役者の市川海老蔵も出て来ない。テレビ受けするような演出が無いのは確か。

日本の儀式は基本的には静かに淡々と進行していく。
日本とアメリカのどちらが良い、と言う事はないのだが全く違う。

日本人の政治への関心が低いのは、この儀式の違いの為、とは一概には言えない。それでも、今回のアメリカ大統領の就任式を見ていると、一瞬かも知れないが、国民の関心を政治に向ける効果は確実にあると思った。

アメリカの真似をする必要は全くないが、国民、特に若者の関心を政治に向ける姿勢が日本の政治家にもあって良いのでは無いだろうか?
それとも、若者が政治に関心を持つと自分の当選が危うくなる人達で霞ヶ関は満たされているのだろうか?

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