東西南北と東海道新幹線

日本列島を頭の中に描いてみて、福岡(博多)は、東京から見てどっちの方向にあるだろう?
東京近辺の人は、多くの人がだと言う。
関西人の自分としては、西。東京や神奈川の人には大阪を東京の南と言う人も比較的多い。

東京駅(Google mapより)

そこで、東海道・山陽新幹線の緯度経度を調べてみた。まずは、緯度。
東京駅  35˚40’51.45″
新横浜駅 35˚30’24.15″
名古屋駅 35˚10’14.32″
京都駅  34˚59’09.96″
新大阪駅 34˚44’01.76″
広島駅  34˚23’51.72″
博多駅  33˚35’24.68″

確かに、東京を基準に考えると、横浜も大阪も博多もすべて南にある。但し、東京と新大阪、博多の緯度の差はそれぞれ
東京ー新大阪 0˚56’49.7″
東京ー博多  2˚05’26.8″

次に、経度。
東京駅  139˚46’02.3″
新横浜駅 139˚37’00.8″
名古屋駅 136˚52’54.1″
京都駅  135˚45’22.0″
新大阪駅 135˚30’05.1″
広島駅  132˚28’31.1″
博多駅  130˚25’14.5″

京都駅(Google mapより)

同じように東京と新大阪、博多の経度の差はそれぞれ
東京ー新大阪 4˚15’57.2″
東京ー博多  9˚20’47.8″

緯度経度の差を見ると、明らかに経度差の方が大きい。
つまり、東京から見て、新大阪や博多は、南と言うよりはどちらかと言うと西にあることになる。

東京に生活圏を移して随分と長くなるが、”どうして東京近辺の人は大阪や博多が南にあると思っているのか?”ずっと不思議だった。
ある時、新幹線の駅(線路)の方向が原因では無いか、と思い調べてみた。
東京駅や新横浜駅は、新幹線の線路はおおむね南北方向に通っている。南が下り(大阪方面)。
それに引き換え、新大阪や京都、広島はおおむね東西(西が下り、博多方面)。
このあたりが、首都圏の人々と近畿圏の人々との方向感覚の違いでは無いだろうか?

ちなみに、博多駅は南北(北が東京方面)。
面白いのが名古屋駅。南北方向だが、南が東京方面、北が大阪方面。
博多の人や名古屋の人は東京がどちらにあると認識しているのだろうか?
まさか、名古屋の人が東京は博多より南にある、と思ってはいないとは思うが、名古屋支店の同僚は名駅(めいえき=名古屋駅の略称)について、”東京の人には分かりにくいですよね”と言っていた。

ヒトの頭の中の地図は結構いい加減で、正確に認識している人は少ないそうだ(→関連記事)。
博多が南であろうが西であろうが、自分の脚で歩いて行くわけでは無いので、どちらであっても実生活では困らない。
自分の中では、東京圏の人の方向感覚が自分とは違う理由は、新幹線の駅の方向と言うことでとりあえず納得。

ちなみに、近畿圏の人たちも仙台や青森が北東方向にあると認識しているが、これは”東北地方”と呼ばれているからであろう。

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