電気を蓄める

この三連休は、北陸地方を中心とした大雪や全国的な寒波の影響で、電力の暖房需要が増え、電力需給が逼迫していると報道されていた。
密を避ける今年の冬は、換気をしながら暖房、一人一部屋で暖房、など普段より暖房需要が多いと思われる。

電力需給が逼迫している時にできる対策は2つ。
使用量を減らすか供給量を増やす。
供給量を増やすには発電量を増やすか、または、どこかに蓄めて置いた電気を足りなくなった時に使う、と言うことになる。

電気を蓄める方法には色々あるが、子供の頃なるほど、と思ったのが“揚水発電”。
発電じゃないか、と言われるかも知れないが、その通り発電。
夜間などの余剰電力を使って“水”を高い場所に“揚”げ、水を溜めて置く。電力が必要になった時にその水を流して“発電”する。

次に“フライホイール”。
余った電力で重い円盤を回す。電力を与えなくても円盤は回り続けるが、電力が必要になった時に、その円盤で発電機を回して発電する。

余剰電力を使ってガスを作ると言う方法もある。
色々な方法があるようだが、学校でも実験したことのある人もいらっしゃるかも知れないが、水を電気分解して水素(と酸素)を作るのが代表的。水素をタンクなどに溜めて置き、電力が必要になった時に酸素と反応させて電気を作る。水素燃料電池と呼ばれている方法。

さて、いよいよ皆さんにも馴染みのある電池
電気の池とはよく言ったもので、池の電気が無くなるとお終い、と言うタイプと、再び電気を入れると使えるタイプがある。
前者は一次電池と呼ばれ、小学校で豆電球を光らせるのに使う乾電池が代表例。
後者は二次電池と呼ばれ、充電すると何回も使える。自動車で使われる鉛電池やパソコンやスマホに使われているリチウムイオン電池が代表。これらの電池は、電極と電解液で化学反応を起こし電気を得る。二次電池では、電気を与える(充電する)と逆向きの化学反応が起きて、再び電気を得られるようになる。

さて、ここまで書いた方法は、電気を電気のまま蓄めている訳では無い。
揚水発電:水の位置エネルギー
フライホイール:円盤の運動(回転)エネルギー
ガス変換、電池:化学反応

でエネルギーを貯めている。電気を電気として蓄めるのは以外と難しい、かも知れない。

電気を電気のまま蓄めるモノにコンデンサ(ドイツ語由来)、または、キャパシタ(英語由来)と呼ばれるものがある。蓄められる電力量は一般的には微々たるものだが、電気二重層キャパシタと呼ばれる少し蓄電容量の大きいものもある。蓄められる電気は少ないが、エネルギーを他の形(運動エネルギーや化学反応)に変える必要が無いので、変換損失が無いメリットがある。

いずれにしても、電気が無いと成り立たない現代の生活。不要な電気は節約し、電気の使い過ぎによる停電は避けないといけない。

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